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ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方

常務取締役
室長/管理部長兼

中川 葉月 (なかがわ はつき)

【Vol.60】包丁の切ったもの

投稿日:

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 以前もここに登場したことのある、わたしの自慢の包丁は京都の老舗「有次」のものです。その包丁を、春先に研ぎに出していました。研ぎに一ヶ月ほどかかるということだったのですが、結局引き取りにいけたのは先日。包丁が機嫌を害しているのではないかと思うほど、実に四ヶ月間、預けっぱなしにしていたのです。わたしの手元に戻ってきた包丁は、以前にも増していい切れ味でした。力を入れなくても包丁の重みだけで、スパンスパンとよく切れ、まな板でクッと止まる感触は、もう気持ちがいいとしか言えません。よく占いで「プライドが高い」などといわれるのですが、そんなわたしを、満たしてくれる包丁です。

 久しぶりに戻ってきた包丁を使い終わったお昼間のことです。きれいに洗っていましたら、なぜかわたしの左手がするりと滑り包丁を落としてしまいました。わたしの右人差し指の上に…。本当によく切れました。勢いよく血が噴き出したのですが、一瞬、何が起こったのかわかりませんでした。あまりの切れ味のよさに痛みがすぐにこなかったようです。とにかく血の出ているところを押さえて止血し、絆創膏を巻きつけました。“少し深いかも”と思っていましたが、“包丁で切ったくらいで病院に行くなんて、恥ずかし過ぎる”という思いが、駆けめぐりました。

 ところが、時間がたつにつれて、動かすたびに痛みが激しくなってきたのです。夕方になり絆創膏を貼り替えようとしたのですが、血が止まっていませんでした。それを見た夫に「病院に行った方がいいよ」と言われ、しぶしぶ病院へ行くことにしました。

 土曜日の夕方ということもあり、救急病院で診てもらったのですが、病院に行ったことを後悔する痛みでした。まず、長時間きつく絆創膏をしていたせいで、傷口が埋まってしまい傷の状況を把握するのに、激痛が走ります。あまりに痛がるので、麻酔を打ってくれたのですが、その麻酔を何回も指に打たれるのに、さらに激痛でした。カーテンで仕切られている救急治療室で、「痛い。痛い。痛いです!」と、叫んでしまいました。大人になって病院で、こんなに痛いと叫ぶとは思いませんでした。「痛い」と声を上げるたびに、恥ずかしさと情けなさで、頭を上げることもできませんでした。よく、「出産を経験した女性は痛みに強い」などといわれますが、とんでもないです。痛いものは、やっぱり痛いのです。

 結局六針を縫い、全治二週間でした。そして「こんな場合は、すぐに病院にきてください」と、先生に言われてしまいました。“包丁で切ったくらいで~”という変なプライドが邪魔をし、とんでもないことになるところでした。“包丁を預けっぱなしにしていたから、包丁が怒ったのかも”などと思っていましたが、実はそうではなくて、不必要なプライドを切るために戻ってきてくれたのかなと、思い直しました。切ってもらって少しすっきりと、生きることができそうです。

- ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方 - 2012年9月発刊 Vol.60

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