4 月から小学校に入学した長男は、図書館で本を借りることができるようになった日、家に帰るなり「おかあさん、がっこうにはたくさん“ほん” があるねんで」と、興奮して借りてきた本を見せてくれました。しかし、長男が当初借りてきた本は、子ども向けとはいえ難しい専門書ばかりでした。そのため、うれしそうに家で本を開くのですが読むことはできていませんでした。「もう少し読める本を借りてきたらいいのに……」と思いながらも、初めて知る学校の図書館が興味深くてたまらない様子でしたので、一緒に借りてきた本を読んでいました。
そんな長男が、クラスでおたまじゃくしを飼うことになりました。おたまじゃくしを見たことはあっても、「カエルになる」以上の知識を、長男はもっていませんでした。家に帰るなり「おかあさん、パソコンで“おたまじゃくしのごはんはなんですか?” ってしらべて」といいます。わたしは「いいよ」と、手元のタブレットをひょいっともって調べようとしました。しかし、そのときふと思いとどまりました。せっかく字を読めるようになり、図書館で専門書を借りるくらい本を身近に感じてきているのだから、ここは簡単にネット検索をすべきじゃないな。と思ったのです。
そこで、長男と一緒に家にある図鑑をまず調べてみることにしました。すると、おたまじゃくしのことは載っていても、何を食べるのかまでは書かれていません。すると次の日、長男は図書館から“カエル” の本を借りて帰りました。そこには、おたまじゃくしがどのように変身しながらカエルになってゆくのかを、小学1年生にもわかりやすく書かれていました。その本を読み終わり、次もまた違う“カエル” の本を借りて帰ってきました。前回とは切り口を少し変えて書かれている図鑑で、これもまた小学1年生に理解しやすくなっています。
はじめに長男から調査依頼を受けたとき調べていれば、おそらくわたしは「おたまじゃくしって、かつお節とかパンとか、金魚のえさでもいいらしいよ」と伝え、漢字をまだ読めない長男は画面上でそれ以上の情報を得ようと思わなかったかもしれません。しかし、今回自分で図書館でカエルの本を探し出し自ら読んで調べることによって、何を食べるのかはもちろんのこと、どんな種類のカエルがいるのか、足はどこにどんな順番で生えるのか、卵の形はどんなものがあるのか、どうやって鳴くのか……を、知ることができました。これからカエルが一番元気になる時期です。外でおたまじゃくしから成長したカエルの声が、長男をひとつ成長させてくれたように思います。
ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方
常務取締役
室長/管理部長兼
【Vol.81】おたまじゃくしの変身方法
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