(Kさん、京都府在住)
将来、なるべく自然なお産・育児をしたいです。でも病院での出産が当たり前なので、家族が不安に思うかも。みんなで心地よく自然なお産を迎えるために、家族に伝えることや心がけることはありますか。
(Mさん、大阪府在住)
A:妊娠前の20代の方たちから、ご質問をいただきました。わたしは大変ジャンクでしたので、このような媒体に目を通せる人は大丈夫!
と言いたいくらいですが、先に産んだものとして思うところをお伝えしますね。
一番に、当たり前すぎて恐縮ですが、37歳初産のわたしは、もっと早くに産みたかった!
とあとから思いました。だから皆さん、なるべく早く!
産んでください。
理由はたくさんあります。まずわたしみたいに高年初産で自然分娩を許されるケースのほうが少ないです。自然に産みたい人は早いほうがいいです。また、産後の回復も若いほうがだんぜん有利。わたしは自然な安産でしたが、どんな産み方であれ、若い母の肥立ちのよさにはかないません。
早く産んだ人は、子どもが成長してからの、親の品格のついた人生を楽しめるのも羨ましいです。わたしなんて、あとは体力使い果たして死ぬだけですよ〜。産んでからの人生のほうが楽しいのに、もったいないことをしました!
それに33歳のママ友ですら、20代後半で産んだ第一子より、30歳で産んだ下の子のほうが、外遊びが少ないそうです。それでもわたしよりよほど動けてる。子どもと一緒に公園で走り回れるくらい、若くて体力あるうちに産んだほうが楽だし、子どもも楽しいです。
夫婦の親世代(祖父母)もある程度若くないと、産後の育児支援を望めません。若すぎても仕事があって難しいとのことですが、年をとって動けないよりはどうにかなるもの。子どもができると自分と親との関係も変わり、たいていの人は、困ったときにはどんなに遠くからでも来てもらってます。育児は数年がかりの大事業。祖父母も若い方が、絶対的に有利です。
そして。37ですんなり妊娠したわたしはかなりラッキーな部類。卵子の老化も話題ですが、不妊治療を長年続けても叶わない人、わたしのまわりでもちらほらいます。若くても不妊治療をする人も……。子どものほしい人は、とにかく早めに始めてくださいね。
そして、無事授かったら自然なお産をしたいと思う人が、妊娠前に家族とできること。「自宅で家族だけで産む」というかなり少数派の選択ができる人以外は、自然分娩可能な施設がアクセス圏内にあるかどうかにすべてが左右されます。お住まいの地域によっては助産院がなく、自宅出産を介助できる出張助産師さんもいないかもしれない。自然分娩をうたっている病院があっても、経膣分娩であれば(帝王切開でなければ)自然分娩とみなし、会陰切開や陣痛促進剤などの医療介入前提のところが大半です。ですので、自宅周辺と里帰り出産の場合は実家周辺の状況も、まずは調べてください。どこでどのように産むかを考えると住む場所にも影響しますから、調べる過程に家族をまきこんでいけば、必然的に、必要な話し合いができると思います。
親が粉ミルク世代で意見が違う場合は、『親子にやさしい自然育児』を読み、いまの情報を伝えてあげてください。病院でないと心配な家族には、吉村医院の吉村正先生のご著書のうちの一冊や、大野明子先生の『分娩台よ、さようなら』などを読み、自然分娩のよさを伝えてください。
父親候補の人には、自然分娩の場合は、病院でただ立ち会うより積極的に父もお産に関わることを、伝えたほうがいいと思います(嫌がる人もいます)。読み切りのお産マンガを集めた『ご出産!』(飛鳥新社)は手に入りやすいしすぐ読めます。その中の、清原なつのさんの「桜木さんちのお産」(吉村医院のお産を取材したもの)と、その他の体験談のうちの一つでも比べてもらえば、質の違いがわかります。
自然に産めれば、自然な育児も、おのずと環境についてきますよ!
最後に、妊娠超初期の母親のアルコール摂取や、妊娠を風邪と勘違いしての市販薬やサプリ等の摂取が、妊娠がわかってから不安の種になることがよくあります。可能性がある人は、排卵日を過ぎたら意識して。わたしもやっちまいましたが、その不安を解消できる答えはないです。やらないのが一番!
望月 索(もちづき・さく)
5歳と2歳の2女の母。不摂生も極まった37歳で妊娠。高年出産のうえ当然のようにトラブル妊婦だったが、産婦人科の方針とソリが合わず、近所の美容院で助産院なる存在をたまたま知ったことで、自然分娩へと舵を切る。 トラブル妊婦が自然分娩できるからだを作る過程でライフスタイルは真逆に変化。気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。 編集、ライター、プレマの東京スタッフの1人。 |