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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

世界に色がつくまで

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胎児の五感

妊娠5か月くらいから、お腹の赤ちゃんは耳が聞こえています。どれくらい聞こえているかというと、わりと小さな音で、はっきりした聞こえ方ではないようです。胎児は水の中にいると思えば、自然なことですよね。胎教でいろいろ話しかけても、内容を聞き取るのは難しそうですが、生まれてすぐでも、母親の声はわかるといいます。母親の血流や心臓の音も含め、話しかける行動全体で、気持ちも伝わっているように思います。

初産のときお世話になった助産師さんが、働いているお母さんから生まれた赤ちゃんは、「ハシハシしている」と言っていました。なんだか「せわしなさ」を感じる、といった意味だそうです。胎児は聞こえている言葉のリズムを理解しているようなので、母親が忙しくしていたら、忙しそうな雰囲気が身につくんでしょうか。第一子妊娠中は、なかなかお腹の子に話しかける時間も取れないし、仕事中はほぼ話さないから、私の声を聞く機会がないのも申し訳ない気がして、家事をしながら歌を歌うようにしていました(第二子以降は、上の子に話しかけることで少なくともわりと賑やかにはなる)。なにかをしながらの声はせわしなくて、赤ちゃんの動きや雰囲気に影響を与えたのではないかな?と感じました。

胎児は聴覚よりも触覚が先に発達します。だから、お腹の中で指をしゃぶったりする。匂いや味は、聴覚より少し遅れてわかるようになります。視覚は使う機会がないこともあり、一番ゆっくり発達します。新生児は「あまり目が見えていない」というのはよく聞きます。でも、新生児期の赤ちゃんは、じーっと見つめてくるように感じます。それがまたかわいいから、赤ちゃんは、多少見えていると考えるほうが自然な気がします。

赤ちゃんの見る世界

しかし、最近、赤ちゃんは思っている以上に目が見えていないことを知りました。

生後3か月でようやく視力0・1くらいになるようです。新生児期は、0・0いくつか、くらいのレベルのようで、白、黒、グレーでぼんやり形がとれる、くらいの見え方だそうです。

色を認識していない、ということも私はわかっていませんでした。新生児用の絵本が、単純な形でどぎつい赤や真っ黒の色使いの印象だから、そういう色ならわかるのかと思っていたんですね。赤は確かに早めに認識できるようになる色だそうですが、それも、ひょっとしたら首がすわるくらいの時期かも知れず、新生児がモノトーンのぼんやりした世界に住んでいるとは思わなかったです(そりゃあ抱っこしてほしくて泣くかもしれない)。

それくらいぼんやりしていても、産後3、4日もすると、母親の顔は認識するそうです。髪の毛に縁取られた輪郭がわかるというか、そんな感じらしい。赤ちゃんは(子どもも)視野が狭いので、離乳食をあげるときは真正面から、という話は聞いていたけれど、生まれてしばらくの赤ちゃんは、横顔だと見てわからないのではないでしょうか。お腹の中で聞いて覚えた声と、中心的に世話をする人として覚えた縁取りの形で、たぶん一番に母親を見てわかるようになり、それから同じようによく世話してくれる人も見てわかるようになっていく。大人はとにかく、何度も真正面から目を見て声をかけてあげることが大事で、その繰り返しで視覚も育つ。世界が色を持っていくんでしょうね。

赤ちゃんが大好きな音が鳴る

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