先日、左京区岩倉にある圓通寺(えんつうじ)に行ってきました。圓通寺は、市内に数ある枯山水庭園の中でも、庭園外の山や樹木を庭の風景に取り込む借景が素晴らしいことで有名です。後水尾天皇が、比叡山が最も美しく見えるところをと、探しまわってようやく見つけた場所と云われるだけあって、庭に向かって座って見ると、実に見事に比叡山や杉の木立が庭の景色として組み込まれていて、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。
そんな中、ふと室内の壁を見ると、この素晴らしい借景が見られなくなるかもしれないといった新聞記事が。近年の都市開発により、少しずつ外の景観が変わっているそうです。現在の庭の景色も素晴らしいものではありましたが、昔を知っていらっしゃる方から見ると、すでに以前とは違うものになっているのかもしれません。文明が進む中、先人達の愛したこの景色を、これ以上壊すことなく、後世に残していくために何ができるのかを考えさせられる一日となりました。