集合的に変わってきた
パパの産休である「産後パパ育休」など、男性育休の制度が新設されてから、世の中がどう変わっていくか、定期的にウォッチしています。去年の7月末に速報値が発表された「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」の確報値が、この6月末に出ました。回答率が33.4%から33.5%に変わりました。速報からさほど伸びないものなんですね。
調査時点は去年の6月1日で、男性の育休取得率は一昨年の数字です。それも全体の3分の1の回答結果なので、おそらく元々力を入れている企業の取得率です。それが半数に満たず、取得率が高ければ取得日数が減る負の相関があるそうなので、前向きに変わってほしい、と思っていました。
その後、一年気にかけてきて、変わってきた印象はありました。コロナ禍で、働き方のバリエーションが増えたことも影響しているようです。男性育休は取るか取らないかではなく、どれくらいの日数を取って、なにをどう分担するかを、話し合うのが普通になってきています。でも、まだ地域差があるし、男性によっては家事力が間に合わず、当事者意識も足りない。何度も書いていますが、妻の妊娠中や産後育児期に当事者意識の薄い夫は、自分の首を絞めていることを、はっきり自覚したほうがいいです。産後にじっくり話す暇はないですから、妊娠中こそOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)にぴったり。妊婦さんの仕事が増えますが、長い目で見て家事を分担できないほうがつらいです。育休の打ち合わせがてら、今おこなうべき出産準備に、夫のOJTも含んでくださいね。
若年層が頼もしい
でも、当事者意識の薄い人ほど言い訳が多くて、「自分だけの得に流されて相手の損や被害に目がいかないから、嫌われるんだよなー」という何度も聞いた展開になる前に、「もう時代が違うからアップデートしろ」と夫に見せられる調査結果が、今年の7月末に出ました。厚労省委託の「若年層における育児休業等取得に対する意識調査」(速報値)、類似の民間調査はありましたけど、国の発表は広い範囲で何度も取り上げられます。やった!と思いました。
今年の6月下旬の高校生や大学生への調査で、全国の18〜25歳の男女が対象です。若年層の男性84・3%、女性91.4%の平均して87.7%が育休を取得したい、という結果になりました。すごくいいのが、男性の25・3%が1〜3か月の育休取得を希望していて(1番のボリュームゾーン)、半年以上を希望する人が29・2%いることです。半年以上の内訳は、「1年以上」が一番多く9.3%、次に「9ヶ月から1年未満」で8.3%。やる気に満ちてますよね! 若い人たちに、しっかりチーム育児の意識があるのは、頼もしいなぁと思います。今妊娠している人は、これからの子育ての最前線にいるのだから、一番新しいところにチューンナップしてください。
最近、生後半年の女の子がいる20代後半のパパと8か月の男の子がいるアラフォーのパパと話しました。二人とも在宅勤務を交えながら、妊娠中から妻とコミュニケーションをとり、家事育児にしっかりコミットして、赤ちゃんにもすごく愛されていました。赤ちゃんは正直だから、普段のおうちでパパの存在感が見たらわかります。人生、家族に愛されるほうが幸せだと思いましたね。