弊社が創業してから25年以上の月日が流れました。この仕事を始めた当初は、備長炭や木酢液など炭の副産物の機能性に感動し、そういったものを生活改善のためにご紹介し、販売することが私の主な仕事でした。

たとえば、炭焼きの副産物である木酢液は、原材料となっているのはウバメガシという非常に硬い木材だけで、その樹液が燻されて濃縮され、焦げた酢のような強い匂いのする物質が産生されます。この機能性が非常に広範囲かつ強力で、悪臭やその原因となる菌類の殺菌・消臭に始まり、ウイルスの駆除はもちろんのこと、お風呂に使えば皮膚トラブルにも効果的で、薄めて、あるいは原液のまま皮膚にスプレーすれば、水虫がツルンと治ってしまうほどの効能を発揮します。植物に希釈液を噴霧すれば育成を助け、病害虫の発生も抑えられるため、天然農薬として使えます。他にも多種多様な使い方があり、その汎用性と効果の強さを知れば知るほど驚きがあり、お伝えすると商品が売れ、喜ばれ、私がこの仕事に向かう原動力になっていました。「天然物でありながら、使う人・食べる人に素晴らしいメリットをもたらし、確実に喜んでいただけるもの」をご紹介し、取り扱うことが、私の喜びの源泉なのです。

女性のお悩みに向かい合う

そんな仕事のはじめのころは、天然素材を使ったスキンケアからスタートし、女性からの相談を受け、対応することが多くありました。なかには不妊症の相談から、妊娠・出産をナチュラルな方向で実践できるようにサポートすることも含まれていました。妊娠・授乳期に多い健康上のトラブルとしては貧血があり、約20％の妊婦さんが直面するといわれています。また、貧血は月経のある女性にとても多い問題で、年齢を問わず悩んでいる方が多く、私が受けた相談のなかで最も多いといえます。

自然食を学ぶと、赤血球を元気にするには玄米や海藻類をしっかり食べること、そしてすべての食事は１００回噛んでドロドロになってから飲み込むことが指導されます。もし私が原理原則に忠実で、人に厳しく指導できるほどストイックな人間であれば、「１００回以上噛みもしないで栄養が摂れると思うなんて、バカです。ひじきを天然醸造の醤油で煮たものを、黒ゴマをかけた玄米ごはんと交互にドロドロになるまで噛んでから毎日食べてください」と、誇らしげに指導することでしょう。まぁ、「食養の指導者」とはそういうもので、できるかできないかは聞く人次第。「正しいのはこの方法だから、こうしなさい」というのが「正しい指導」のあり方かもしれません。

しかし私は、そんなに偉そうに言えるような人間ではなく、食べるのはとても早く、「食べている暇があれば早く仕事に戻らねば」と切迫感のある青年時代を生きてきました。そのため、原理主義的に人様に偉そうに指導するという気持ちにはなれませんでした。

しかも、現代の技術で特殊な加工が施された食素材は、ときとして100回噛むことでは到達できないほどの機能性を発揮することがあります。その一例が「ひじき」です。特殊な粉体加工を施すことで、少量でひじきの持つ効果を最大限に引き出し、100回噛まなくても、ただ水か白湯で飲み込むだけで、鉄剤よりも身体にやさしく、女性特有のお悩みを解決してくれることがわかりました。

そこで当初は「ひじきさんありがとう」という名前で販売していましたが、それではなにが摂れるのか、なにに良いのかがわかりにくいため、『元気♥鉄分（ひじき）の素』と名付けました。午後にやる気が出ない、ついウトウトしてしまう、朝すっきり起きられない、ふらふらして身体の芯が抜けたような感じがする——そんな身体の声が聞こえてきたら、それは鉄分不足のサインかもしれません。ぜひ一度、『元気♥鉄分（ひじき）の素』をお試しください。