「優しさ」って何でしょう?
「あ~もう駄目だ!」
私の口癖の中で最も嫌いな一言が、この日もついに出てしまいました。「優しさ」をテーマにした原稿に行き詰ってしまったのです。そもそも「優しさ」ってなんだろう…そんな事を数時間も考えていたら、本当に分らなくなってしまったのです。
どうにもならなくなった時、ある友人の顔が浮かびました。その人は私が尊敬する友人で、常にどうすれば周りの人が楽しめるか、どうすれば安心するかを考え、とても温かな気持ちにさせてくれる人です。
もちろん、「月のテンポ」の愛用者!「こんな事を聞かれても困るかな?」と心配しつつ電話をし、ある質問をしました。
私「あのさ、どうしていつも人に優しくできるの?」
友人「人はその為に生きていると思うから…かな」
私「……」
一瞬時が止まってしまった(笑)。何という壮大な答えなんだと言葉が出ませんでした。でも、その一方で、友人が言おうとしている事が、何となく分かるような気がしたのです。
人は、人と関わり合って生きている。だからこそ、人への優しさってすごく大切なものなのだと思います。
優しさの極意「江戸しぐさ」
「江戸しぐさ」を知っていますか?人がお互いに気持ちよく関わり生活ができるように江戸時代に考えられたもので、お互いが濡れないように、傘を人のいない外側にそっと傾ける「傘かしげ」や、後から来た人も座れるように、こぶし分だけ腰を浮かして席を詰める「こぶし腰浮かせ」などがあります。
日本には昔からこのような考えがあり、人と良い関係を築くことで自分の人生を豊かにし、人を思いやることが当然のこととされていました。 さてさて、今はどうでしょうか?電車に乗れば人目もはばからず化粧をしていている女性。見ていると、こちらも何だかソワソワしてきます。この揺れの中、よくあんなに綺麗にアイラインが引けるな~と感心してしまうこともありますが、その姿は残念ながら美しくなく、それに加え、席の横には変身セットでも入っていそうな大きなバックを平気で置いている方も…「こぶし腰浮かせ」どころの話ではありません(涙)。
街に出ればおしゃべりに夢中になり人にぶつかっても謝りもしない。「ちっ」と舌打ちをする人もいますよね。怖い…「傘かしげ」の考案者がこの光景をみたら、きっと眩暈がすることでしょう。
人と人の優しさを結ぶ「月のテンポ」
「江戸しぐさ」など、どこ吹く風状態の今日、私たちは、何か大切な事を忘れてしまっているのかもしれません。旧暦を使い、月の満ち欠けを頼りに生活をしていた江戸時代の人達は、人を思いやる余裕があり、所作が綺麗だったそうです。
旧暦でなくなった現代でも、「月のテンポ」を意識している人には、心の余裕があり、所作がとても綺麗です。人と会話する時、捲し立てるような話し方をしないので、話していて心地よい。物を渡す時、乱暴に焦って渡すのではなく、丁寧に渡すので受け取りやすく、安心できる。歩く時、歩くテンポがいいと、人とぶつからない、ぶつかっても苛立たない。 この、心地よく安心できて、人と自然に調和できるテンポこそ「月のテンポ」なのです。江戸時代の人達は、自然にこの「月のテンポ」を身につけていたのかもしれませんね。
「月のテンポ」で「平成しぐさ」を
「らくなちゅらる通信」を読んで下さっているあなたも、メトロノームをテンポ116に合わせ、話すテンポを練習してみたり、「月のテンポCD」を流してゆったりとした気持ちで動いたり、歩いたりしていると、自然に「月のテンポ」が身についてきます。
「江戸しぐさ」ならぬ、あなたオリジナルの「平成しぐさ」で、大切な方との素敵な時間をお過ごしくださいね。
いつもお読みくださってありがとうございます。
片岡 由季
片岡 由季氏 武蔵野短期大学にて国際教養学科および秘書コースに在籍。 その後、玉川大学英米文学科に編入。 前職はNPO法人日本ケアフィットサービス協会にて「サービス介助士」の育成に携わり、全国の企業研修を担当。 2010年4月より父である片岡慎介氏の後を継ぎ有限会社ビュージックの代表取締役となる。 現在は、断食道場やサロンなどで「月のお話会」を行い、「なりたい自分」「輝く自分」になる為の月のテンポ活用法をお伝えしている。 |
「月のテンポ」CDシリーズ 『つきの妖精たち』 全6 曲入。「月のテンポ116」が五感からさらに第六感までに届きます。 まっさらで優しい「本当のあなた」に出会いましょう。 |