デリケートケアを長年伝え続けてきたわたしにとって、ここ近年の「フェムケア」ムーブメントは、とても嬉しく喜ばしいことです。これほどまでにデリケートケアに関心が高まったのは初めてで、雑誌やテレビなどメディアの影響は大きいのだなぁと感心させられると同時に「話題だから」というだけの理由で飛びついて不必要なことまでケアをおこなうことは危険も伴いますから、その点では注意も必要です。フェムケアをはじめてみたいけれど、なにからどこまでしたらよいのかわからない方もいらっしゃるのではと思いますので、今回は、どなたにも絶対におすすめしたいフェムケアと、そうでないケアのボーダーラインをはっきりさせてみたいと思います。
フェムケア5選
①正しく流温水で洗う
②鼠径部と大陰唇のマッサージ
③布ナプキンを使う
④膣トレをする
⑤セルフプレジャーをする
デリケートゾーン専用のソープなどもいろいろと売られはじめましたが、はっきり言って、必要ありません。流温水で充分なのです。ただし、肝心なのは、丁寧に洗うことと、重点的に洗う部位。陰核(クリトリス)尿道付近と、小陰唇と大陰唇の溝、そして肛門を、それぞれ指の腹で確認しながら洗い流します。膣内は洗ってはいけません! 専用であろうとオーガニックであろうと、毎日ソープ類で洗うのは、絶対にやめましょう。例えばお姫さまの日(生理)の終わりがけなど、どうしても気持ちが悪いときに、月に一度程度ならよいかもしれませんね。
また、ウォシュレットの使いすぎにも注意。大便時のみにしましょう。
それから、保湿や美白など、お顔のお手入れさながらのグッズも販売されていますが、あくまでもそこは「デリケート」ゾーンですから、急に刺激が増えることで肌トラブルを起こしかねません。慎重に。
マッサージで柔らかくすることは健康的に血色もよくなり、感度も上がるのでおすすめです。わたしがお伝えしているマッサージの方法は、うっ血しがちなデリケートゾーンのコリをほぐすためのもので、鼠径部と大陰唇・会陰をほぐしていきます。膣内や小陰唇には触れません。例えば臨月の妊婦さんや、産後の性交痛改善を目的とし膣を広げていくために必要なこともありますが、そうでなければ「マッサージ」を目的に大切な性感帯に触れることは、おすすめしません。感度が鈍る心配があるからです。そこはあくまでも、セルフプレジャーやパートナーとの営みに大切に取っておいてください。
また陰毛V・I・Oの処理についても、I・Oは特に脱毛しない方がよいと思います。なぜなら体毛には体温や湿度の調整、異物が直接膣に触れないようクッションとして守る役割があるためです。真面目に清潔にしようとして、処理そのものがトラブルの元になり黒ずみ・乾燥・かゆみなどに悩まされて感度が鈍ってしまっては元も子もありません。
愛おしむ贅沢な時間を
フェムケアの一番のメリットは、身体と対話することで「愛おしい」幸福感を味わえること。自分の身体のコアなところに触れる時間と手間というエネルギーを注ぐことで、自然と元氣が湧いてきます。あなたのデリケートゾーンは女神の神聖な場所。そこに触れるものは慎重に吟味し、できるだけシンプルにナチュラルなものを選びましょう。フェムケアのなかでも、特に手軽にはじめられ、温活にも役立つのは「布ナプキン」です。生理時以外にもぜひ使ってみてください。
そして、最も幸せを感じながら、心身へ良い影響をもたらすのが「セルフプレジャー」性的快感です。この話や、膣トレについてはまた次回以降に。