この『らくなちゅらる通信』を読んでいらっしゃる方は、食べものなどに気を使って、質の高い生活を心がけている方が多いと思います。食と運動、睡眠。どれも健康に生きるために切っても切り離せない関係性ですよね。わたしがいつもお話ししている「フェムケア」も認知度が上がってきています。それは女性の健康と幸せ度を上げるためにとてもいい傾向なのですが、フェムケアを始める以前に、わたしはまず、これを大きな声で世の中の女性たちに叫びたい。
「トイレタイムを長く確保しよう!」
働く女性を対象としたアンケートで、排尿のときの所要時間を調べたデータがあります。それによると96・5%の人が「3分以内」で小を済ませており、そのうち最も多かった回答はなんと39・6%の「1分以内」でした。ほぼ4割の女性たちが、たった60秒で、トイレから出てきているということです(oggi.jp調べ)。
かくいうわたし自身も、以前はトイレに行くこと自体がなんとなく「ムダな時間」という感覚がありました。仕事なり、家事なり、やりたいことの「合間で、行けたら行く」ような感じでした。あまり長いと大をしていると思われそうで恥ずかしいとか、人を待たせているから申し訳ないなど、いろいろなシチュエーションがあると思いますが、それにしてもトイレに意識が向いていなさすぎて、基本的に「急いで」用を足していた気がします。
でも、ほんとうはトイレですることは動物としてとても大切な生理現象の「排泄」の時間。食に気を使っていても排泄に無頓着なのは、やはり不自然なことでした。身体に「入れること」と、「出すこと」は等しく大切なことのはずなのに。
時短排泄は教育で訓練された
トイレはできるだけ短い時間でサッと済ませる習慣は、一体どこからやってきたのかと考えたら、わかりました。それはやはり学校教育ですね。子どものころから画一的に定められた「休み時間」という時間があり、必ずその時間内でトイレは済ませるルールでしたから。そういう鍛錬を繰り返して、わたしたちは大人になり、もはや無意識レベルでトイレ時間を短時間で済ませられる習慣を身につけてきたのです。
それは労働者として活動するため、集団生活をおこなうために必要なことでもあります。しかし、大人になった今、仕事の途中に行くトイレが60秒以内でなければならないというほど肉体的に過酷な職場の方ばかりではないはずです。さらに、そのたった60秒間のトイレの中にまで、仕事を持ち込んでいませんか? トイレを出てからの次の段取りを思考していたり、まさか、スマホを持ち込み、排泄しながらメールの返信をしている、なんてことはしていませんよね?
排泄するときは心身ともに緩んでリラックスした状態であるほど、とてもスムーズになっていきます。まずは、ほっと一人の空間で心を整え、筋緊張もゆったりと弛緩させる時間が排泄には必要なのです。