今回は今まで観た映画の中で最も心を揺さぶられたノンフィクション作品『生きてこそ(原題:ALIVE)』を長岡がご紹介いたします。
南米ウルグアイの学生ラグビーチーム45名らを乗せた飛行機が墜落し、雪深いアンデス山脈で遭難してしまうところから悲劇は始まります。
夜には零下40度にもなる山岳地帯に閉じ込められた彼ら。
絶望と飢えに苦しみ、死を目前にした若者が生きるために下した決断とは・・・・・。
72日を生き延び、奇跡の生還を果たした16名が織りなすこの人間ドラマは衝撃の事実です。
「アンデスの奇跡」と呼ばれる37年前のこの実話は、死者の肉で命をつないだことで話題になりました。
批判する人たちもいたようですが、彼らの置かれた状況を想像すると英断以外の何ものでもなかったことが解ります。
生きたい!自分たちで何とかするしかない!生存者は仲間の分まで生きなければならない義務がある。
この切実な思いを強靱な精神力で為しえた彼らは、絶望の淵に立たされながらも常に希望を持ち続け、人間らしさを失うことはありませんでした。
「自分が死んだら、自分の肉を食べて生き延びてくれ。」
瀕死の状態で友に向かって言うセリフです。
仲間の肉を食べるという行為なしには実現しなかった事実を前に、私たちは考えずにいられなくなります。
自分ならどうするのだろう。人が人であるとはどういうことなんだろう。生きるってどういうことなんだろう、と。
☆ズキュンワード(キメのフレーズ)☆
「どうせ死ぬのなら、歩きながら死のう!」
生きてこそ(ALIVE) |
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生きて帰る!ただそれだけを胸に救助を求め冬のアンデスを歩き続けた主人公のセリフです。
DVDのメイキングには生還した16名のその後の人生が語られています。仲間の分まで精一杯生きなければと十字架を背負って生きてきた彼らのひとつひとつの言葉は重い。
もととなったドキュメンタリー小説『生存者:P・Pリード著』も私の第2のバイブルです。
無事救助され、アヴェ・マリアの流れるラストは息をのむほどに感動します。
何を置いても必ず観ていただきたい名作です。
※主演のイーサン・ホークおススメ関連作品※ 「いまを生きる」いわずと知れた名作です。 その他どれも傑作揃い。イーサンにハズレなしです! |