40億年を駆け抜ける

立春すぎてからこの原稿を書いています。読んでいただくころには、もっと春めいているでしょう。タネやつぼみが熟して芽吹き花開く春……人にたとえると、妊娠初期も春だと思います。

いわずもがなですが、妊娠期間は最終月経の開始日からはじまるとされています。積極的に妊活しているケースでなければ、次の生理予定日が過ぎて、あれ遅れてる……？と思っている間に、妊娠５～６週目に入っています。それは、魚のかたちから哺乳類のかたちまで、約40億年もの進化を急ピッチで駆け抜ける時間。大切な時期なのに、自覚がないがゆえに通常運転すぎて、あのとき薬飲んじゃったけど大丈夫ですか～!?というふうに、あとから青くなる人も少なくないわけです。漫画家の桜沢エリカさんが、妊娠に気づかずテキーラのショット飲みをしていたなどと、どこぞで書いてらしたけど、その類の武勇伝がありそうな妊娠適齢期のかたは、ぼちぼち生活を整えたほうがいいともいえるわけです。

わたしの場合もかなりまずかったです。妊娠初期の大事なころに、日々飲んだくれていました。でもある日突然、異変が訪れたんですね。なにかが熟したんでしょう、飲める体調ではなくなったのを、わたしは風邪をひいたと勘違いしました。市販薬も飲みましたし、冷えるので、電気カーペットの上で一日中ころがっていました。卵子が分裂進化しているからだで電気カーペット！　知識がなく、電磁波対策などもちろん施しておりません。ふりかえるだに、第一子が打たれ強い子でよかったなぁと思います。実際生まれてからも独特に打たれ強いので、わたしが学びこなれるまでの負担を一手に背負うことを引き受け、一番に生まれてくれた子なのだと思っています。

自分がそんなふうだったので、妊婦さんからの妊娠初期の服薬を心配する相談事をよく見かけるのは、同じように風邪とみなした人も多いからなのだろうなと思っています。いまのわたしだったらそもそも薬で対処しないので、いろんな意味でみんなで視野を広げたい話……。妊娠中も授乳中も子どもへの影響は気になるものだし、これから妊娠予定がある人は、からだにいい食や免疫をあげる品々を通して、自然治癒の予行演習をしてくださいね。

進化の活性化

妊娠初期は高温期が続くので微熱は当然として、冷えやすいのも、妊婦の特徴だと思います。電気カーペットの話を前述しましたが、機が熟した時点でライフスタイルに問題のあったわたしは、とにかく芯から冷えました。生命をはぐくむエネルギーをまわすのに、なにかがとっても無理していたのだと思います。それをどうしていいかわからなくて電気カーペットの上でゴロゴロ、だったんでしょうね。

その後、ご縁をいただいたマタニティ鍼灸のゴッドハンドの先生に長くお手当てしていただくことになるのですが、妊娠をきっかけに体質改善したわたしにとっては、妊婦の手当て、自然治癒の予行演習のお供として一番におすすめしたいのはやはり冷えをとるもの。首、手首、くびれ（腰回り）、足首。「首」とつくところを冷やさないようにずっと心がけると楽だと思います。妊娠したら絶対何枚か買うはずの腹巻きは、芯から温めてくれるアルファウェーブがいいですよ。アルファウェーブの布から出る遠赤外線は、実はすべての生き物の母である海が産み出したものなんです。うっとりするくらい、進化の助けになりそう……！