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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

春爛漫を想いながら。
大好きな福島へ宛てた、片思いのラブレター

投稿日:

東日本大震災から10年目の3月11日を前にして、福島行きを決めていた私ですが、昨月の本稿の入稿を済ませた2月13日、また福島県沖を震源とする震度6強の強い地震が発生しました。福島県沿岸部(浜通り)では、10年前の大震災以降、度重なる余震と終わらない原発問題、さらには二度の洪水と、繰り返し災禍がやってきて、そのうえまた10年前より大きな地震が襲うという、人の我慢の限界を試すような、心痛むできごとが起き続けています。そんななか、改めて相馬を訪問し、皆さんのお話を聞いてきたことは、読者の皆さまにも有益なことだと思いますので、共有したいと思います。

休まなかった学校

今回の大地震が起きたのは2月13日23時7分頃と夜中の地震でした。10年前の本震よりも強い体感があったというこの地震で、建物等の被害はありましたが、亡くなった方は極めて少なく、被災地域の皆さんの防災意識がとても高かったことが、被害を最小に食い止めたといえます。とくに、相馬市においては、昨月、今月の特集記事で高橋誠先生からお話しいただいているように、教育委員会が防災・減災教育専門の「防災教育専門員」を置き、学期ごとの避難訓練や危険回避スキルの向上をはかることで被害の最小化が実際に機能しています。地震が起きたのは土曜の夜中のことだったとはいえ、学校に通う子どもたちは一般の大人たちより落ち着いて行動できたであろうことが想像されます。

また、今回は相馬市教育委員会の福地憲司教育長にもお会いして、話をうかがいました。「月曜日の朝から通常通り学校を開け、なんとしても授業を開始する」。地震直後より、教育委員会の職員さんから市内学校の各現場に至るまで、強い意志をもって子どもたちをいつも通り受け入れるための安全確認と応急措置に努めたそうです。よって、1日も学校を閉めることなく子どもたちを明るく受け入れることができました。地震による猛烈なストレスを受けた子どもたちが、いつも通り友達と楽しく過ごせる場所に通えることで、どれほど心の支えになっているか。また被災の後片付けをする大人たちの心の安心につながったかは、当事者でなくともイメージすることができるでしょう。地域の建築業者さんも、一般の方からの要望よりも優先して、いの一番に学校の修繕に当たり、結果的に後回しになる学校以外の被災した皆さんも、そのことを理解し、協力してくれたというのです。

やってくる天災をなくすことはできませんが、可能なかぎり最小にすること、とくに心が折れないようにすることはなによりも優先順位が高く、大切なことです。そのなかでも、子どもたちの命と心の健康を支えることは、なにより優先されるべきことだと、相馬の皆さんのお話を聞いて、改めて再認識しました。

支援よりも、大好きであること

今回の旅で、東日本大震災のときに全村避難となった飯舘村にも立ち寄りました。原発爆発の直後から高い線量を記録した一方で、山奥にあるため津波の被害がなく、支援の手も極めて薄かったこの村は、プレマ基金の重点支援先でした。私自身はほぼ5年ぶりに訪問しましたが、村の中心部は再整備され、立派な建物ができ、すっかり様変わりしていました。5年前には村のあちこちで異常な光景を醸し出していた、除染土を封入する仮保管用の巨大で真っ黒なビニール製の袋の山も、徐々に村外に運び出され、穏やかな光景が戻りつつあります。

しかし、いったんメインの国道から逸れると、人がいなくなった廃屋が並び、黒いビニールの山は相変わらずの状態で、いまでも帰村率は20%程度だというのも頷けました。行政や国としては、まず村のインフラを回復することや、それをテコに産業誘致を進めようとしていること自体は否定しません。しかし、何百億円の建物や、立派な道路、整備された町並みが、人の痛みを癒やしてくれるわけではないのです。一度失われてしまった大切なものを、新しいもので解決しきれるはずもなく、私はえもいわれぬ無力感に襲われました。自分がここに来たところで、なにが変わるわけでもなく、なにをすることもできません。

ただ、ひとつだけ、私が約束でき、また死ぬまで変わらないこと——それは、私が福島を大好きと思う気持ちです。10年前の出来事がなければ、ここまで特別な感情を抱くこともなく、京都からは遠い場所だったに違いありません。

私は福島が大好きです。ぜひ、読者の皆さんも、福島を訪れてみてください。遠くから評論しているだけでわかった気分になることを捨てて、あなたの、そして福島の、この10年に思いを馳せていただきたいのです。

※写真は、約9年前、相馬市の鹿島神社に植樹させていただいた桜の木です。すっかり大きくなって、背丈は鳥居を超えました。今回の訪問では開花までは少し早く、つぼみが膨らんでいました。本誌がお手元に届くころには、満開になっていることでしょう。私は、原発事故後、あまり人がいなくなった相馬で見た桜の力強さとはかなさに、魂を打たれて、今日まで生きてきました。あなたの大切な場所が、未来永劫、ずっと美しくありますように。

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春爛漫を想いながら。大好きな福島へ宛てた、片思いのラブレター

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