この10月から、いよいよ正式に、男性も育休だけではなく産休(産後パパ育休)も取れるようになりました。産休は2週間前の申請で取れます。期間を分けられたり、育休中に出社日を入れられたりして、より使いやすくなっているはず。ぜひ活用してくださいね!
パパのアクティブバース
今号で5回目になるこのシリーズは、改正育児・介護休業法が今年の4月から段階的に施行されるのに合わせて書いたものに、本誌の編集と執筆をしていらっしゃる寺嶋さんのご提案があったことで始まりました。
ママ同士で話題になる「プレパパやパパへの不満」をヒントに書いていたのですが、前号でパートナー間のリサーチ業務の分担について書きながら、「お産に立ち会いたいプレパパ」について考えていて気づきました。これは、「夫婦あるある」では済まないかもしれないと。
前提にあるお産の「立ち会い」について書くと、地域や個人差もありつつ、新型コロナという要因を除けば、最近はスタンダードな選択肢だと思います。立ち会いたくないプレパパさんもいると思いますが、もし嫌な理由が「血をみること」なら、そこにはおそらくバイアスがあり、自然分娩は「血塗られていませんよ」とお伝えします。
さて、夫婦で一緒にリサーチして「お産に立ち会いたいパパ」が望んだ内容が、妊婦本人の希望とずれた場合は、どうなるのでしょうか。例えば、パパがパートナーの姿勢を支えられるようなアクティブバースを望んでいて、ママが無痛分娩を望んだときなどです。
分娩そのものは女性にしかできませんが、お互いによく話し合ってください。「赤ちゃんのことは女性の領分」とプレパパが引いた時点で、育児や家事に対するお互いの当事者意識に傷がつくかもしれません。また、出産において妊婦と同じ当事者である、子どもの福祉にも関わってきます。子育てに関する夫婦の話し合いの予行演習だと思って、試してみてほしいです。
前号で「和痛分娩」という言葉を出しました。わたしは医療的な理由がない場合には懐疑的です。和痛分娩でも陣痛が痛いと聞くし、和痛分娩と完全自然分娩のどちらもやった人に聞いてみると、和痛分娩のほうが痛いといいます。脳内麻薬の分泌が中途半端なうちに麻酔をかけるせいか、痛みと恐怖を忘れないそうです。
わたしにも心当たりがあります。一番痛くて怖かったのが、慣れているはずの3回目のお産のとき。エコー検査で赤ちゃんが危ないと診断され、「陣痛促進」されました。結果的に検査の間違いでしたが、自分のペースで産めなかったことで、いまだに恐怖が残っています。その経験から、完全自然分娩のほうが楽だと思っています。
そしてパパの出番がいろいろあるお産も自然分娩に分類されます。女性が自分のペースで産めるフリースタイルのお産やヒプノバースもいい。わたしの知る例で、本当に夫婦のみで産み、男性が取り上げたケースもあります。パパさんの話を聞くと、感動は深く、人生において得がたい経験だったそうです。生まれたときの赤ちゃんは、大声で泣くのが当たり前ではなく、明るすぎる病院の光など、外界の刺激が強すぎてオギャアと激しく泣いているという説があります。その出産ではどうだったか聞いてみると、激しく泣いた記憶がないそうで、赤ちゃんにとっても、リラックスした、良い誕生だったんでしょうね。