長女が中学3年生になり、そろそろ本格的に進路を決めなければならない時期がやってきました。小学生のころはパティシエになりたいという夢を熱く語っていた長女ですが、今は気持ちが揺れている様子。受験生だというのにスマホゲームばかりで勉強を全然しないので、「方向性が定まらないから、勉強をする気になれないのかな」と思い、「将来どうしたいの？」「なにかやってみたいことないの？」と声をかけるのですが、どうにもはっきりしない。親ばかり気が急いてしまいます。

でも、「やってみたいこと」という言葉を口に出したときに思い出しました。私も数十年前の高校受験のとき、やりたいことなんて決まってなかったな、と。今思い起こしても、どうやって進路を決めたのかよくわかりません。たしか英語の成績がよかったので、英語の先生の薦めで、当時としては珍しかった国際交流に力を入れている学校に進学することになったのですが、それって私がそのとき本当に興味があったことかというと、正直ハテナです。

自分だってそんな感じだったんだから、娘に「やりたいことを今決めなさい」というのは酷な話。逆に自分がそうだったから、娘にはしっかりと目標を定めて進んでいってほしいという気持ちもあって矛盾しているけれど、娘の可能性はまだまだ無限大なのだから、手さぐりでいいんじゃないかと思うようになりました。

私の母は、私の人生のターニングポイントとなるときはいつも「あなたの人生はあなたのものだから、自分で決めなさい」と言いました。当時の私にとってはプレッシャーに感じることもあったけれど、あの言葉があったから、自分ですべて選んでこれた。失敗もたくさんしたけれど、自分がよく考えて決めたことだからと受け止められています。

過去の選択に後悔がないと言えば嘘になるけれど、それも私の人生。私が今、毎日を幸せに過ごせているのは自分の選択の結果だと考えると、失敗も悪くない。むしろ失敗こそ人生の糧だと思うから、娘もたくさん失敗して、そのたびに糧をたくさん蓄えて、人生をたくましく生きていってくれたらいいな。

さて、高校受験。どの学校に進むことになっても、毎日を娘らしく、心身ともに健やかに過ごしてくれることを心から祈って、見守っていきたいと思います。

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上ヶ谷 友理（うえがたに ゆり）

結婚、出産、離婚を経て、2014年、主婦の社会復帰を応援するプロジェクトを通してプレマ株式会社に入社。最近急に料理に目覚め、少ない食材でなにが作れるかを考えるのが毎日のミッションであり楽しみでもある。