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法の舞台/舞台の法

日常のなかにある法律問題踊る弁護士の活動報告

弁護士/舞踏家

和田 浩 (わだ ひろし)

1977 年新潟県柏崎市生まれ。京都大学総合人間学部卒業。弁護士として、さまざまな分野の事件に取り組んでいる。なかでも、障害者の権利に関する案件に多く携わっている。他方、舞踏家として舞台活動もおこなっている。福祉、芸術、司法の連携について、あれこれ考えている。
縁(えにし)法律事務所 
京都市中京区新椹木町通二条上る角倉町215
075-746-5482

生活保護法の目的と基本原理

投稿日:

前号では、生活保護法と関連する憲法上の規定や、その規定と生活保護法の関係などについてご紹介しました。

具体的には、憲法上の権利を大別すると、①自由権、②参政権、③社会権があること、憲法25条1項は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定め、生存権を保障していること、生存権は③社会権の一種であること、そしてこの規定に基づき生活保護法が定められていることなどをご紹介しました。

今月は、生活保護法の目的と基本原理について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

なお、以下の説明は、主に、大阪弁護士会貧困・生活再建問題対策本部編集『[改訂版]Q‌&‌A生活保護利用者をめぐる法律相談』(新日本法規)に依拠しています。

生活保護法の目的

生活保護法1条には、「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と定められています。

すなわち、生活保護法は、①生存権の保障と、②自立の助長を目的としています。ここでいう「自立の助長」は、生活保護利用者の有するさまざまな能力を発見し、その能力に応じて社会生活に適応できるよう支援することを意味しており、単に経済的に自立させて生活保護から離脱させれば良いという意味ではありません。

生活保護法の基本原理

生活保護法には、4つの基本原理があるとされており、この法律の解釈及び運用は、すべてその4つの原理に基づきなされる必要があります(生活保護法5条)。その4つの基本原理は、①「国家責任の原理」(同法1条)、②「無差別平等の原理」(同法2条)、③「最低生活保障の原理(同法3条)」、④「補足性の原理(同法4条)」です。以下、順に説明します。

まず、
①「国家責任の原理」は、生活保護法による保護は、国の責任においておこなわれるものであるという原理です。生活保護法1条が、「国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行う」と定めているのは、その趣旨です。

②「無差別平等の原理」は、生活保護を請求することは「権利」であり、この「権利」は、生活困窮の原因(例えば、病気、災害、失業等)や要保護者の労働能力の有無を問わず、無差別平等に保障されるという原理です。この原理は、生活保護法2条に定められています。

③「最低生活保障の原理」は、国が保障すべき「最低限度の生活」は、単に生存を続けられる程度のものではなく、「健康で文化的な生活水準」を維持できる程度でなければならないという原理です。生活保護法3条が、「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」と定めているのは、その趣旨です。

④「補足性の原理」は、生活保護法上の保護は、自ら最低限度の生活を維持できない場合に実施されるものであり、民法上の扶養や他の法律で定められる公的扶助が、生活保護に優先されるという原理です。この原理は、生活保護法4条に定められています。ただし、これを厳しく要求すると、真に生活保護を必要とする人が保護を利用できないことになりかねないため、注意が必要です。また、民法上、一定範囲の親族間の扶養義務が定められていますが、親族からの扶養を受けられないことが、保護開始の要件とされるわけではありませんので、この点も注意が必要です。

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