濃厚でリッチな『金ごまペースト』など、プレマシャンティのごま製品をたくさん作っていただいている和田萬商店さんに、ごまへのこだわり、品質、製法などについて伺ってきました。
和田萬の有機ごまは、日本国内を始め、ボリビア、エチオピア、トルコなどで作られています。すべて、日本、アメリカ、EUの3カ所で有機認証を取得した畑で育てたもので、世界基準と言っても過言ではありません。
近年、輸出が進んでいるのですが、3つのマークを貼って出荷できるのは、おそらく弊社ぐらいではないでしょうか。実際、農薬や化学肥料を使っていませんし、よくあるドリフト※の心配もない閉ざされた場所で栽培していただいています。
※近くの畑から農薬が飛んでくること。
紫色の花をつけた、ごまの畑。夏場の日照が確保できれば青森県でも育つ。一本に40~50 袋、その袋に80~100粒。うまく育ったとして一本で5,000粒収穫できる計算になり、10gに相当する。10 本を上手に育てても約100gの収穫ということ。
農薬や化学肥料を使えない分 有機は畑に行く回数が多くなる
ごまはとにかく収穫作業が大変です。100kgのごまを収穫するのに10人でも半日以上かかります。外国から購入すると50kg7千円。人件費を考慮すると輸入に頼らざるを得ない状況です。
野菜もそうですが、化学肥料や農薬を使っていても、土が良ければおいしいものもあります。とはいえ、同じ条件であれば、やはり有機のほうがおいしいですよね。それは、無農薬だからというより「手をかける」からだと思います。農薬や化学肥料を使えない分、草引きをするなど畑に行く回数も増え、植物に接する機会が多い。それだけよく面倒を見ることができます。
赤ちゃんをていねいに育てるのと同じで、有機のごまは、ていねいに育てられたごまです。私たちもそれに応えるために、きちんと管理して、焙煎、擦り方、練り方、すべて本当に気を遣って加工しています。
特に、こだわりを持っているのは、煎りごま。焙煎は、ごまそのもの。どんな製品になるのか、どんな調理法で食べていただくのか、すべての基本が焙煎にかかっています。面白いのは「ごまペースト」。ごまペーストが使いこなせたら、ごまの達人だといえます。どうやら使い方をイメージしにくいようですが、ごまペーストを、おいしく料理できるようになったり、応用できるようになったりすると、ごまの世界は本当に広がると思います。
一番簡単なのは、ピーナツペーストとして捉えること。甘みが入っていないので、はちみつや砂糖などを加えてパンに塗るのが一番簡単な使い方。また、市販の「めんつゆ」と合わせると、即席のごまだれにもなります。ごまだれって工場でしかできないと思われがちですが、お出汁、醤油、みりん(または酒)と、ごまペーストを合わせればできます。今は、便利な「めんつゆ」があるので試してみてください。
自社工場では、磁石や風、網目状のざるなどを使い、ゴミなどを念入りに取り除く。その後、独自の秘伝製法で、ていねいに焙煎。ごまペーストは、三度練る。一度練ったものと、三度練ったものでは、味もコクも全く違い、いっそうまろやかになる。
国産のごまを増やしていきたい
16年「ごま教室」を開始。毎月開催しました。ごまを食べ比べてみたり、すりつぶして味がどう変わるのかを食べてもらったり。すりつぶしたごまを使った料理も食べていただきました。さらに知りたいというお客様もいらっしゃるので、今後は、上級編として煎り方や料理の教室なども開催したいと思っています。
国産ごまをどう広めていくか、今後の課題です。いかに貴重であるかということや、地元のものを食べる大切さも知ってもらいたいです。私も夏場は畑で一日中作業することもあります。私たちの力だけでは難しいので、地元の農家さんに手伝ってもらうことで、ごまを作っていただき、もっともっと広めていきたいと思っています。