生涯自分の歯でそしてなるべく歯を失わずに毎日の食事を美味しく食べたい。年齢を重ねてくるとそんな願いが強くなってきます。でも気がついた時には何らかの理由で歯がなくなっていた。そんな方は沢山いらっしゃると思います。歯がなくなるとそこの部分では物をかむことが出来なくなってしまいます。その状態と機能を回復するためには人工の歯を作らなければいけません。その歯の作り方には様々な方法があります。
小さい虫歯の場合はコンポジットレジンという白い歯と同じような色をもつ材料を使って、形態を整え青い光(光重合)を当てて固めます。もうちょっと虫歯が大きくなると、形を採って石膏の模型にし、金属やセラミックを作り、歯に接着させます。最近は形を採らずに光学カメラを使ってお口の中で歯の写真を撮るとコンピューターが解析し20分後にはセラミックの歯ができあがる、いわゆるCADCAMという技術を使用するものもあります。
更に虫歯が大きくなると噛む面がほとんど崩壊し、かみあわなくなるので、歯の周りを一周削り被せるようにし、薄い歯の部分の破折を防止します。更に虫歯が深くなると、ズキンズキン痛くなるようになり、通常は神経を取る処置をしなければいけなくなります。最近では色々な薬剤を用い神経をなるべく取らない様にする方法もあります。神経の処置は根管治療と言われ盲目的に小さい針状の器具を用い神経を取り、根の中を綺麗にします。綺麗になったらゴム様のもので根の管を密閉します。そして土台の形を取り、土台をつけます。土台がついたら、土台の周りを一周削り、先程の被せる処置と同じことをします。一度根の治療を終えた所が膿んでしまったときは、修復物を外し、土台を外し、再び根の治療を行います。
更に状態が悪くなってしまった歯は残念ですが、抜くことになってしまいます。歯が抜けた所が1本または連続して2本の場合は、前後の歯を削り、橋渡しにするブリッジと言われる、金属やセラミックの橋渡しの修復物で修復しますが、その前後の歯に虫歯が無くまたは何も処置されていない場合は、前後の歯を削ることはもったいないので、インプラントという金属を骨の中に植え込み歯を作る方法も行われます。失われた歯が多くなると部分的な入れ歯や、全部の入れ歯で歯を修復するのです。インプラントと入れ歯をミックスした形で作る事もあります。
すべての治療をするときに必ず歯の噛み合わせの調整が必要になります。
これらのことはあくまで人が作る人工物ですから美しさからも強さからもご自分の本来持っている天然の歯に勝るものではありません。人は食べ物を食べて美味しいと感じ、生きていく上で食事はエネルギー源として欠くことはできません。どんな病気の方も、早くその病気を克服するためには、歯の周りを綺麗に保ち、歯でしっかり物を良く噛んで食べ栄養をとることが必須なのです。
まずは歯から見直してみましょう。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師.整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |