「○○はいつも□□だ」と思っていることはありませんか。○○には自分や他者、否定的に思っている対象などが入ります。たとえば「自分はこういう状況では必ずこうなってしまう」と思っていることなどです。
これらの多くは思い込みや決めつけであり事実ではありません。私たちはこういう思いに固執し、それが事実ではない可能性に心を開いていないときがあります。でも、それは本心から望んでいる状態でしょうか。
良い変化を望むならば、思い込みを超えた視点から見直すことが役立ちます。
新しい目で過去と現在を見る
そのための方法の一つは、○○が□□ではなかったとき、ないときを見つけることです。思い込みにとらわれていると、それに当てはまる経験だけに注目し、当てはまらないことは除外する傾向があります。
意識的に新しい目で見るようにすると、事実は「□□だったときもあるけど、そうでないときもある」と再認識するでしょう。
すると□□ではない状態が現れたときに気づきやすくなります。
否定的な予期を手放す
これまでの記憶に基づく予期を手放すのも有効な方法です。「今までこういうことを繰り返してきたのだから、きっとまたそうなるだろう」と予想しているのを認め、手に掴んでいる物を放すように、今この瞬間だけでも、握りしめていた力を緩めてみます。そして予想していたのとは違う経験をする可能性に心を開いてみましょう。
この方法を使ってAさんは「風邪をひいている人と接すると、もらってしまう」という予期を手放してみたところ、緊張がほどけ体感が軽くなり、後日、熱が出ているお子さんと過ごした際は、じんわり喉が痛くなったりしたものの悪化することなく通過できたそうです。
この方法が特定の結果を保証するわけではありませんが、過剰な心配から行動が制限される代わりに、気楽に物事を試せるようになります。
そして終わってみれば心配するほどのことはなかったという経験が増えるでしょう。
また身体に及ぶ影響の観点からは、否定的な予期から生じる緊張感を解放すればリラックスし、免疫力や治癒力などが働きやすくなると考えられます。
他者についての感情解放
あまり良い印象を持っていないが関わりを続ける必要があり、関係を改善するのが望ましい人(家族や仕事で関わる人など)については次の方法が使えます。
良いと思える点と思えない点(ダメ、いや、などと思うこと)を書き出すのです。
少しでも良い、許容できると思えることが浮かんだら一つ書き出し、手を止めてその気持ち(受容的な感情)を認めます。次に良く思わないことを一つ書き出し、不快な気持ち(否定的な感情)を認めます。
これを交互に繰り返します。9セットくらいおこなうのがお勧めです。一度書いたことを再度書き出してもかまいません。
良く思える点の種類が良く思えない点の種類より少ない場合もあるでしょう。
両面の感情を交互に認めながらおこなうと、限定的な見方から解放されて全体的に相手を見ることができるようになります。
人に対する感情を解放してみたら、相手の印象が変わった、コミュニケーションの質が変わった、という体験談は多いです。
「この人はこういう人だ」という決めつけから抜け出すと、自分が無意識にしていた態度や発していた雰囲気が変わり、相手に与える印象も変わる可能性があるのです。