瞑想、マインドフルネス、禅など心を静める習慣を生活に取り入れる人が増えています。これらを試みて難しさを感じる方には、これからお伝えすることが参考になるかと思います。また、セドナメソッドなど感情を解放する方法に取り組んでいる方は、瞑想的な要素を加えることで体験を深めることができます。
瞑想において感じる困難のひとつは集中できないということです。手法によって注意を向ける対象はさまざまですが、教えられたとおりに注意を向け続けることや、何も考えないでいることは難しいときがあります。注意が逸れて考え事に耽ってしまう、何かが気になってしまうなどです。こういう状態への対処方法も教わったとおりにでき、速やかに注意を戻せれば問題ないのですが、それも難しい場合は、次の方法が役立つでしょう。
繰り返し気になることには感情が伴っています。そのことについての考えを手放そうとしても感情がそのままだと、また同じ考えがすぐに出てくるのです。ここで有効なのが、思考の発生源である感情や気持ちに注目することです。気持ちは言葉になってもならなくてもかまいません。手に物を握り締めているときのように、その感情を掴んでいるのを認めます。そして拳を緩めるように、その感情を放します。これを心が静まるまで繰り返します。
感情解放と瞑想の併用
気がかりを自覚している場合は、先に感情解放すれば、スムーズに瞑想に入っていけます。瞑想中に思考にとらわれているのに気づいた場合は、一人でおこなっているなど可能な状況なら、感情解放に切替え、手放せたら瞑想に戻る、という使い方もあります。
瞑想体験についての気持ちも手放します。うまくできない、もっと集中しなければ、以前の良かった状態を再現したい、期待する状態に早くなりたい、などの拘りや力みを緩めると、自然に体験が起こるようになります。瞑想と感情解放の両方を習熟するまでは、別々におこなうことをお勧めしますが、習熟すると瞑想中に感情や思考を自然に手放せるようになります。
特定の瞑想法を実践していない場合、一つの問題やテーマについて感情解放したあとの、すっきりと落ち着いた気持ちを味わい安らぐことは、瞑想と同様の体験になります。数分間、そういう時間を取ることはお勧めです。
逆に、次に述べる「ただ在る」という状態を1~2分味わってから、問題についての感情解放に取り組む流れでおこなうのも体験をスムーズにします。
セドナメソッド流の瞑想法
セドナメソッドの書籍や教材には正式な瞑想法は含まれていませんが、著者ドゥオスキン氏のセミナーでは次のような瞑想的方法が紹介されています。一つは「手放す」という言葉を心の中で繰り返しながら、その瞬間に自覚される思考・感情・感覚をすべて手放すという方法です。言葉をつぶやく間隔は、数秒から十数秒が目安です。二つ目は「ただ在る」ことです。これは、存在しているだけで充分だと許容することであり、何かをしたり考えたり、別の状態になる必要から自分を解き放つことでもあります。
この二つも併用できます。手放しから始めて思考や感情にとらわれなくなってきたら、ただ在ることを意識する。あるいは、在ることから始め、思考や感情に気づく度に手放す。
ただ在る=本当の自分を直接認識することと、感情を解放して限定的な自己イメージを超えることを、並行しておこなうことが勧められているのです。
セドナメソッド認定コーチ
安藤 理(あんどう おさむ)
制限的な感情を解放し心の自由を生み出す手法の翻訳書「人生を変える一番シンプルな方法―セドナメソッド」監修者。日本で唯一、米国セドナ・トレーニング・アソシエイツから認定されたセドナメソッド・コーチ。
電話等での個人セッション、東京と関西でセミナーやセッションを実施している。
http://andoo.info