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カンボジア地雷除去支援

江角泰 (えずみ たい)

NPO法人テラ・ルネッサンスのカンボジア事業担当者。
大学時代に、NGO地雷ゼロ宮崎のメンバーとして参加した「テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアー」が、テラルネッサンスとの出会い。
現在は、カンボジアにおける地雷問題に取り組む他、弊社が進めるラオス支援活動も担当中。

【Vol.34】地雷原のある村のある小学校の話

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 カンボジアのある小学校の話です。場所は、カンボジア北西部、バッタンバン州のタイ国境に接する村、プレア・プット村です。この村では、2009年から特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス(以下テラ・ルネッサンスと表記)が村落開発支援を始めました。その支援活動の1つに、基礎教育の支援があります。

 プレア・プット村で現在小学校として利用されている建物は、内戦中に病院として建てられました。1990年代の前半、まだ内戦がこの地域では続いていたときに、戦争で傷ついた人々を治療するために、この病院が建てられたのです。当時からこの村に住んでいた村長さんら数家族は、この病院で看護士として働いていた人たちでした。村長さんによれば、この病院では敵も味方もなく、また兵士や一般市民の区別もなく、戦争で傷ついた人たちや、地雷の被害者などが治療を受けていたそうです。今は静かで、とても穏やかな村の様子からは想像できないほど、この村でも激しい戦闘が行われました。この村には有名な山が小学校の裏手にありますが、この山の裏側からすぐ目と鼻の先には、タイ国境に沿って横たわる巨大な地雷原が、激戦の名残として残っています。

 小学校にもまた、激しい内戦を経験してきた傷跡が残っています。とても20年前に建てられたものとは思えないほど校舎はぼろぼろで、壁や天井には穴があき、ドアや窓は壊れ、一部の壁は崩壊寸前でした。このような状況だったため、5教室あるうちの3教室しか使われていませんでした。屋根に穴があいているため、雨が降れば授業は中止。強風で壁が倒れるのも心配しなければなりませんでした。

 テラ・ルネッサンスでは、2009年8月に、最優先事項であった屋根と、一部の崩壊していた壁の修理を行いました。修復資金は、同年6月に開催された第3回「頑張らない」チャリティ・バドミントン大会の収益で賄いました。バドミントン愛好家の方が、全国のバドミントン愛好家に呼びかけて、チャリティ大会を毎年開催し、参加チームの参加費やグッズの売り上げのうち、運営費などを除いた額をご寄付くださっています。修復作業では、建築家を1名雇用した以外は、村の大工さんや最貧困層の村人たちを労働者として雇用しました。それまで取り付けてあった屋根をいったん全部はがし、新しい屋根を前面に取り付け、はがした屋根のうちまだ使えるものを選別して後面に配置しました。そして、2カ所の崩壊していた壁を修復しました。これで雨の日でも強風でも、雨漏りや学校の崩壊を心配せずに授業ができる環境が整いました。村人たちを雇用したのには、小学校修理が貧困層の村人たちの収入になり、また今後、小学校を維持管理していくうえでも、村人たちが修復することには意味があると考えたからです。

 2009年11月には、長崎のNPO法人コミュニティ時津の4名の方が、この小学校を訪問してくださいました。50~60歳台の方々でしたが、子どもたちや村の大工さんたちと一緒に、小学校の清掃や図書室づくりをしてくださいました。田舎の子どもたちは、本当に素直です。教室は、埃や教科書の残骸が散らばっていました。学校の周辺にも、子どもたちが食べたお菓子の袋などが、散在している状況でした。すべてが自然のものだったカンボジアの昔の生活にゴミ箱はなく、熱帯性気候ですぐに自然に土へ戻るため、ポイ捨てをしてもすぐに分解されます。ところが、分解されにくい現代のプラスチックやビニールなどの製品はそのまま残ってしまうため、この小学校だけでなく、今の農村はどこもゴミだらけなのです。ところがこの日は、4名の方々が掃除を始めると、子どもたちもすぐに見習って掃除を手伝い始めました。そこに言葉は必要ありませんでした。面白いのは後日、私たちがこの小学校を訪問すると、また少しゴミが散らばってきた教室を、子どもたちがすぐに掃除し始めるのです。その様子は、とても微笑ましいです。

 学校はまだドアも窓も壊れたまま。子どもたちが勉強する机や椅子も、まだ5教室すべてに十分あるわけではありません。今後、継続して教育環境を整備していく予定ですが、今の環境の中でも子どもたちは、元気いっぱいに、たくましく、勉強し、遊んでいます。彼らを見ていると、
教育環境が日本と同じレベルにまで 整う必要はないかもしれないと思えてきます。授業がきちんと受けられる最低限の環境を整備するだけでも、彼らが自分たちで将来を切り開いていくのではないかと、大きな期待を感じます。

 決して世の中は、平等ではありません。でも未来を造る力は、どんな状況下の人でも、一人一人が持っているものなのです。


江角泰(えずみ たい)

江角泰(えずみ たい)氏
NPO法人テラ・ルネッサンスのカンボジア事業担当者。
大学時代に、NGO地雷ゼロ宮崎のメンバーとして参加した「テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアー」が、テラルネッサンスとの出会い。
現在は、カンボジアにおける地雷問題に取り組む他、弊社が進めるラオス支援活動も担当中。

- カンボジア地雷除去支援 - 2010年6月発刊 Vol.34

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