「これからの時代(人生)をどう生きていけばいいのか?」
「人の意見に振り回されてしまう」
「自信がない」
「いろいろ学んでいるのに、アウトプットできない」
「思ったことを実行に移せない」
よく聞く悩みです。これらは本質的には感性が閉じているために起こる悩みです、と言ったら驚かれるでしょうか? そうなんです、これは感性の問題であって、優柔不断でも、能力の欠如でも、最近流行り!?の自己肯定感の低さのせいでもありません。実は、感性が閉じているために起きるのです。
感性が閉じることの弊害
詳しく説明する前に、まず「感性」とはなんなのかを明らかにしましょう。私は「言葉や形になっていないものを受信・発信する力」と定義しています。わかりやすくいうなら「アンテナ」。見えないテレビの電波をキャッチするアンテナのように、私たちも感性を使って、目には見えないけれど確かに存在するものを取り込んだり、発信したりしています。そんな優れたアンテナである私たちの感性ですが、閉じてしまうことがあります。どんなに感受性が高いといわれる人や感覚が敏感な人でもです。
なぜなら、感性には「思考・力に頼りすぎると閉じる」という特徴があるからです。ではここで、新しく出てきた「思考と力」を説明しますね。思考と力は、学校教育や職業訓練で鍛えた能力です。ですから、誰もが日常的によく使っています。思考は頭と心、力は体、このように考えていただくとわかりやすいでしょう。思考には、言葉や計算、ロジカルシンキング、心がもつ印象や記憶などが含まれます。体は、行動やスキル、テクニックなどが該当します。たとえば、料理のレシピを読んで、レシピ通りに道具を使いながら料理を仕上げる。これは思考・力の一例です。このように思考も体もアウトプットに必要なものですが、思考・力にばかり頼ってしまうと感性は閉じて使えなくなってしまいます。
感性と思考・力。どちらも、すべての人が持つ能力で、自分の力を発揮するためには、どちらが欠けても十分に力を発揮することができません。たとえば、思考・力にばかり頼ると物事を力づくで推し進めてしまい、周囲とぶつかってしまう、ぐるぐるモヤモヤ思考でなかなか行動できない、周りの顔色や意見が気になって思った通りに動けない、などの状態になります。これでは不安で思った通りに動けませんね。では感性ばかりを伸ばせばよいかというとそうではありません。感性だけですと、インプットを取り込むことはできても、それを使ってなにかを創り出す力(思考・力)が不足しますので、現実を変えることができません。感性と思考・力はどちらかではなく、どちらも必要なのです。
私たち現代人は、思考・力を学校でも職場でも鍛え頼ってきたために、ほとんどの人は日常的に感性が閉じているといっても過言ではありません。本当は「こうしたい、ああしたい」「こんな人生にしたい」という答えは自分のなかにあるのですが、感性が閉じていると自分のなかの答えをキャッチすることができず不安を感じます。しかし、自分でいつでもどこでも感性を開くことができれば、自分のなかの答えに気づき、希望や可能性を自分で見いだすことができるようになります。誰かに頼る必要もありません。そして、自分の生き方を自分で選択し、安心してチャレンジするようになります。感性を開くことは、一歩を踏み出す力、すなわち自分のなかのリーダーを呼び覚ますことなのです。