収穫したて・搾りたてのサトウキビジュースは、ミネラルやビタミンを豊富に含み、梨やスイカのようにフルーティーでやさしい甘さが特徴の、とても美味しい飲み物です。体験の参加者からは「こんなに美味しいものだと思わなかった」という感想と並んで、「以前に飲んだものとはまるで味が違う」という声を聞くことも多くあります。そこには、「賞味期限3分」の秘密があります。
体験では、鮮度が劣化していく様子を実際に体感してもらっていますが、搾り始めから1分以内に飲んだものと比べて、3分経過したものではすでに違いが感じられます。色は薄い黄色から徐々に褐変していき、味はフルーティーさが失われる一方で、とろみを帯びた黒糖のような風味を感じるようになります。では、ジュースのなかでは一体なにが起きているのでしょうか。
最初に起こるのは、「酵素による酸化」です。サトウキビのなかにはポリフェノールとフェノール酸化酵素が含まれており、搾った瞬間から空気中の酸素と反応を始めます。これにより、ジュースの色は徐々に褐変し、爽やかでフルーティーな香りが少しずつ失われていきます。これは、リンゴやバナナの切り口が空気に触れて褐色になるのと同じ現象です。もともと細胞内で隔てられていたポリフェノールと酵素が、搾汁によって細胞が壊れることで混ざり合い、酸化が進みます。圧搾によって細胞は大きく破壊されるため、反応は非常に速く進行します。
次に、時間の経過とともにショ糖(砂糖の主成分)がブドウ糖と果糖に分解されていきます。特に果糖は甘みを強く感じやすく(ショ糖の約1.2~1.5倍)、そのため「さっきより甘い」と感じることがあります。しかし同時に、味のバランスは単調になり、コクのある重たい甘さへと変化していきます。
体験では、こうした変化を搾り始めてから約5分の経過のなかで実感してもらっています。現在のところ、サトウキビジュースは「現地でしか味わえない美味しさ」ですが、風味や栄養成分を保ったまま保存する技術の開発が、インドやタイなどで進められています。この素晴らしい自然の恵みが、より多くの人に届く日が来ることを願っています。

鮮度が命!のサトウキビジュース
