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それぞれの転機

さまざまな方にインタビューし、その人生の物語を届けます。実体験が誰かの勇気になりますように

キャリアコンサルタント

小山 真裕子 (こやま まゆこ)

自身の転職経験から国家資格キャリアコンサルタントを取得し、就職や転職の支援をおこなっている。「答えは自分のなかにある」ことに気づき、本心に従って生きていくことを一緒に追求していきたいと活動中。インスタグラム:@mayuko33perfection

今できる精一杯が、次の扉を開いていく(前編)

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今号は、京都府長岡京市でアロマスクールと、書道教室を運営されている「aromatable」主宰の本藤知夏さんの物語をお届けします。心に正直に選択を重ねていくことで自分らしい生き方を体現していく物語です。

——これまでを振り返って、人生の転機を教えてください。

大学受験の失敗です。目指していた大学がすべて不合格になり、先生方からは別の大学の受験を提案されました。だけど私は「希望校以外は行かない」と言い切ったのです。

そのとき、6歳から続けていた書道の先生が推薦してくださったのが、書道の専門学校でした。だれかに言われたからではなく、「自分はどうしたいのか?」と心の声を聞き、その道へ進むことを自分で決断しました。自分で決めた選択だからこそ、そこに迷いや後悔は一切ありませんでした。

高校では進学クラスだったため、クラスメイトのほとんどが華やかな大学生活をスタートさせるなか、私は少し地味でストイックな書道の学校へ。当時は友人たちも「(進路のギャップで)少し声をかけづらかった」と後になって聞きました(笑)。しかし、私自身は寮生活のなかで目の前のことに夢中だったため、周囲の目はまったく気になりませんでした。

——実際の学校生活はいかがでしたか?

まさに書道にどっぷりの日々でした。墨をするだけで1~2時間かけ、そこからようやく筆を持つため、毎日がクタクタです。山のなかに籠っての合宿もあり、ただ書くこと、そして、掃除や草抜きといった規律に全集中する日々でした。現実世界から離れているようでしたが、そこでは「郷に入れば郷に従え」の精神で、技術だけでなく、精神も鍛えられました。

卒業後は、書道の検定課の職員として就職しました。しかし、日中の日常業務とは別に自分自身の課題もあり、夜にはまた筆を握る生活。右手ばかりを酷使したため、ついに腱鞘炎になってしまい、当時はつらい時期を過ごしました。

——そこから、わずか2年弱での独立・教室開校へと繋がっていくのですね。

もし職員を辞めるなら、もうその道に進もうと思っていました。そのなかで、より自分らしい働き方をしていきたい、人と関わることが好きな自分を活かそうと考え、書道教室を始めたのです。なにもわからない分、悪いイメージも、逆に力みすぎるようなことも考えませんでした。手探りのスタートでしたが、「どうすれば生徒さんに書道を楽しんでもらえるか」だけを考えました。手作りの賞状を渡したり、小学生の生徒さんには稽古のあとに宿題する時間や遊ぶ時間を設けたり、季節の行事を取り入れたり。求められる形を追求していったら、単に字を習う場所ではなく、生徒のみなさんの温かい「居場所」になっていたように感じます。

その想いが口コミで広がり、気づけば6歳から80代まで幅広く70名もの生徒さんが通う、3つの教室を構えるまでになっていました。

その後、結婚と同時に遠方へ引っ越すことになり、愛着ある教室を二人の先生に委託してすべてを手放すことになりました。周りからは「もったいない」と言われましたが、全力を注げたので、前を向くことができました。ブレずに前を向く心の姿勢や集中力は、間違いなくあの過酷な書道の日々で養われたものです。

「次に進めば、必ず新しい道が開けてくる」。そのワクワクした気持ちを胸に、私の人生は次のステージへと動いていきました。
(次号、アロマスクール編へ続く)

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aromatable

ホリスティックアロマセラピーのプライベートサロンを主宰する本藤知夏さん。施術のほか、アロマ講座、書道教室も展開。http://aromatable.net/

- それぞれの転機 - 2026年8月発刊 vol.227 -,

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