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生産者さん紹介

プレマの商品を作ってくださっている生産者さんたちを紹介。 その魅力に迫ります

忙しいお母さんを手助けする、
しいたけの美味しいダシ
株式会社 武久 しいたけ屋4代目 武久 景子氏

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プレマシャンティ®の立ち上げ当初から商品開発にご協力いただいている株式会社武久は、おもに乾燥しいたけを扱う会社です。水で戻せば、含め煮や炒め物に大活躍しますが、「実は戻し汁のほうが活用できます」と武久景子さんは話します。みずからの経験を通して気づいた、しいたけのダシのありがたさ。武久さんが仕事に情熱を燃やす理由を探ってみました。

株式会社武久の社内にあるしいたけの生産場(ホダ場)。観光農園として使用され、2021年も福岡県知事賞に輝いた。客室乗務員の専門学校を卒業後、国内の添乗員として全国を飛び回り、シティホテルに勤めた経験もある武久さん(左)。社会人経験を積んだのち、実家のしいたけ屋4代目に。右は夫で同社営業部長の池井雄樹さん
株式会社武久は、福岡県南東に位置する筑後市で、1935(昭和10)年に創業しました。当初は、しょうけ(丸ざる)、焼酎、しいたけを販売していましたが、いまはしいたけの卸と小売が中心で、その原点は曽祖父の代にあります。

明治時代に行商を生業にしていたわが家は、県境を越えて大分の山村を訪れ、焼酎や羊羹としいたけを物々交換していたそうです。昔から大分県には、しいたけ栽培に必要な良質なクヌギの木が豊富にあり、今でもしいたけの産地として、全国に名を轟かせています。

実は一言に「しいたけ」といえど、栽培方法で味わいが異なります。当社で販売するのは、農家さんが昔ながらの「原木栽培」で育てたしいたけのみ。栽培期間は2年と、たいへんな手間がかかります。現在では時間とコストを省くために、しいたけの菌(種)をおがくずに植えつける「菌床栽培」が主流ですが、しいたけ本来の旨味を大切にしたいから、武久では原木栽培にこだわっています。

古来からの方法を貫くには、大変な労苦が伴います。原木栽培は、まず枯れて落葉したクヌギの木を伐採してホダ木(原木)を確保して始まります。これを約1mの長さに切り揃えて、しいたけの菌を植えつけたら、それをスギの山に運んで、1年以上寝かせて菌を培養させます。なぜホダ木を傾斜のあるスギの山までわざわざ運ぶのかといえば、そのほうが菌がよく培養するからです。そうして時間をかけて実ったしいたけのみが、ゆっくりと乾燥にかけられ、風味の秀でた乾燥しいたけとなって武久に届きます。

ハウスの中でも可能な菌床栽培と違って、原木栽培では自然を相手にせねばなりません。木を伐採する、運ぶ、また山の斜面を歩くなど、どの工程においても、相当な肉体労働を強いられます。だからこそ私は、おいしい原木しいたけを手にするたびに、生産者の方への感謝の気持ちでいっぱいになります。

武久の主力商品は干ししいたけ。大分・熊本の山林にて「原木栽培」で育てられたしいたけを扱う。近年は生しいたけの販売もスタート

また原木栽培は、山林の環境の保全にもつながっています。クヌギの木は広葉樹なので、伐採しても生え変わります。切り株から新芽が生え、強い根が育って健全な森を育むことができるのです。くわえて菌の培養のためには、スギの山にホダ木を置く場所を確保する、また農道を整備することも必要になってきます。適度に人の手が入るため、おのずと野放しになっていた山林が減ります。しいたけの原木栽培は、S D G s(持続可能な開発目標)の理想型ともいえるんです。

このことを広く知っていただきたくて、昨年、林野庁の補助事業「SUSTAINABLE FOREST ACTION2020」に応募しました。≪しいたけを食べて日本の山を守る<と題して、しいたけの原木栽培を促進する取り組みを提案しました。結果として、私たちのチームは決勝のプレゼンまで進み、大きな手応えを感じることができたんです。

他にも私が始めたこととして、しいたけをはじめとした地元の食材を使った「hiyoriko-kichen」の提供があります。椎茸専門店 陽より子は、武久の敷地内で30年前に開業した直営店で、3年前からは、この店でランチをスタートさせました。まずはしいたけを使った料理のおいしさに触れていただき、それがお客様の日々の献立づくりの参考になれば、との願いがあります。

実は私、過去に自分の食生活を後悔する経験がありました。最初の子どもが生後2ヶ月になったとき、顔じゅうに赤い湿疹ができたのです。悩む私に「食」の先生が発したアドバイスが、「しいたけの戻し汁でダシをとった味噌汁を飲みなさい」でした。言われたとおりにやってみると、すぐに子どもの発疹が治まりました。私は母乳を通して、みずからの不摂生を子どもに押し付けていたことを後悔しました。

しいたけを扱う家に生まれながら、実は私、しいたけの味わいが苦手でした。このとき、ようやくしいたけの栄養と効能に気づけたのです。しかもその味噌汁が、本当においしかった。しいたけは乾かされることで、三大うま味成分のひとつ、グアニル酸を生み出します。乾燥しいたけを戻す際に残った汁を、昆布(グルタミン酸)とカツオ(イノシン酸)のダシに加えれば、三大うま味成分が詰まった味噌汁が完成するのです。またグアニル酸はうま味に深みを与える役割があります。だからわが家では、カレーやシチュー、煮込みハンバーグづくりにしいたけのダシが大活躍です。

スマホで簡単に検索できる時代なのに、「きちんと料理ができない」と悩むお母さんが多いそうです。きっと情報が多すぎて、迷うのでしょう。でも極端な話、おいしい味噌汁とごはんがあれば、家族は笑顔になってくれます。「もっと気楽に料理をしよう」。多くのお母さんを応援したいから、今後もしいたけのダシの可能性を探求しつづけたいんです。

しいたけだけでなく、戻し汁までダシで使い切る

武久がプロの目で選んだ原木乾しいたけのみを選別せずにお届け。水で戻して、またそのまま手で砕いて、煮物やスープ、シチューなどに入れると味わいが深まる。トレーサビリティシール付きで、生産者を辿ることもできる。

プレマシャンティ® 大分産 乾しいたけ を見てみる>>

忙しいお母さんを手助けする、しいたけの美味しいダシ株式会社 武久 しいたけ屋4代目 武久 景子氏

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