若いころはラジオ体操の意味がわからなかった私でも、年齢を重ね少しずつ健康というものを意識するようになってきました。今回は、健康の基本について考えてみたいと思います。
まず、健康の定義はなんでしょうか。皆さんどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが、世界保健機関(WHO)では、「健康とは、何事に対しても前向きの姿勢で取り組めるような、精神および肉体、さらに社会的にも適応している状態をいう」と定義されています。原文は次の通りです。
“Health is a state of complete physical, mental and social well–being and not merely the absence of disease or infirmity.”
原文が英語なので、微妙なニュアンスを日本語にするのが難しいですが、WHOでの和訳は上記のようになっています。それをもっとかみ砕いて考えてみようと思います。
健康の定義を考える
以前、東京大学口腔外科の西原先生が次のようなお話をされました。「脊椎動物門・哺乳類網・霊長類目・ヒト科の人間の健康とは、時間と空間と空気・栄養物質と温熱・圧力・湿度などの環境エネルギーと重力作用の円満な調和の上にのみ成立する健全な生活状態の複合体である」「栄養に偏りがない上に栄養不足と過剰とならず、よく咀嚼して食べ、おのずからなる腹式横隔膜による鼻呼吸と、意志による胸式の呼吸の違いを知り、正常な空気を正しく鼻を通して横隔膜で呼吸し、寒すぎず暑すぎず、適正な湿度と1気圧の元で、1日に子供で9~12時間の睡眠をとり、体の筋肉を無理せずにまんべんなく動かし、個人が生活する上でゆとりある時間の流れの中で、ゆとりある空間のもとに生活しなければ、健やかさが長期に維持できない。生体力学的には左右差のないように体を使い、左右のねじれを除く筋肉運動を緩やかに行って細胞呼吸を活性化することが肝要である。これにより躍動する生命活動の基礎となる体を構成する60兆個の個々の細胞の活力が得られる。これで漸くにして均整のとれた形の健康と機能の健康、色調の健康の調和が得られ生命エネルギーの満ち満ちとした輝きのある生活が得られることとなる」
このようなことに加え、私は、健康は「氣」「重力」「運動」「食」「環境」「感染」の6項目について、バランスをとることが重要だと考えています。具体的には次の通りです。
「氣」については、感情のコントロールが必要なときもあるかもしれませんが、愛、貢献、感謝を基に心が安定していること。「重力」については、無重力の宇宙では骨がスカスカになってしまう変化を踏まえて考えると、重力場での生体バランス・歯のかみあわせ・二足歩行・整体・姿勢の確認などが必要だと思います。「運動」については、いま一生懸命取り組んでいるスポーツが、左右バランスを崩す運動ではないかを確認したうえで、もしバランスを崩す運動であるなら、それを補正すること。「食」については、完全植物性かつ食べ物をまるごと食べる全体食を基本とし、そこからいまの自分がどのくらい離れているのかを確認したうえで、日々バランスをとるようにすること。そして病気のときには完全植物性を実行すること。「環境」については、生活環境や職場環境、睡眠環境の確認と、電磁波など見えないものに対する意識。有害物質(歯科金属アマルガムや重金属汚染を含む)からの防衛。「感染」については、皮膚や粘膜からの出血がないかの確認、歯肉炎・歯周病や根尖病巣などがないか歯科医院で定期検査を受けること。
以上のことがとても重要だと考えます。歯科に関する部分は、専門の医師でないとわからないことが多いため、完全な健康を得るためには、前述のように歯科医院に行くことをおすすめします。