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ヒーリングフードLIFE

食を通じて自己実現をサポート

株式会社プレマ代表取締役/一般社団法人日本ヒーリングフード協会代表理事/米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルスコーチ

飯野 晃子 (いいの あきこ)

群馬県前橋市にあるプレマ・オーガニック・ファームにて有機栽培した野菜を全国に出荷。オーガニックや健康食の実践と推進をするコミュニティ運営や人材育成もおこなう。2児の母。
プレマ・オーガニック・グループ https://www.premafoods.com/
一社)日本ヒーリングフード協会 https://healingfoods.jp/
飯野晃子インスタグラム @ organic_aco

インドの有機農家から教わったこと①

投稿日:

前回は、ヒーリングフードの実践法についてご紹介しました。今回は、ヒーリングフードの大きな基礎になっている私の有機農業研究時代、インドで見たオーガニックのエピソードをご紹介したいと思います。

食料問題を解決した「緑の革命」
の成功国で広がる有機農業運動

私は大学院生時代、これからますます人口が増える国インドで、有機農業の将来的な可能性を探る研究をしていました。当時の日本では、農業の研究分野は、生産性を上げるための慣行農業が対象となっていて、有機農業について専門的に研究している学者は少なく、日本では研究が進まないので、私は現地調査のためにインドを何度も訪ねました。研究対象地にインドを選んだのは私の直感。有機の神髄がわかる気がする……。インスピレーションで選んだインドの農村で、私は本物の有機農園に出合ったのです。

インドは大自然にあふれていて、カオスな状態で、ルールもない自然農法ばかりではないかと思う方もいるかもしれませんが、私が頻繁に調査に出向いていた20年以上前でも、すでにインド全土で農薬や化学肥料を大量に使ういわゆる慣行農業が主流でした。膨大な人口によって深刻な食糧問題を抱えていたインドでは、品種改良種子と、化学肥料、灌漑設備、農薬を大量に導入して食料生産を劇的に増加させた「緑の革命」が国策としておこなわれ、農薬や肥料などを買うために、わざわざ借金を背負い、生活に苦しむ農民が多く、社会問題になっていました。一方で、当たり前のように化学合成肥料と化学合成農薬に依存した農業を続けることで、健康面も経済面もますます苦しくなり、農地の荒廃が進む悪循環に疑問を感じる人たちが出てきていました。インドの知識人たちのなかには、昔から伝統的におこなわれてきた自然農法や日本を含む海外の有機農法を英語で学び、有機農業の技術を農民に教育する社会活動をおこなう人たちもいました。牛の糞を肥料にし、唐辛子を水に薄めて虫よけにまくといった、お金をかけずに自分たちでできる有機栽培のやり方をインドの奥地の農民でも実践できるように、現地語のマニュアルを作って配布したりといった有機農業の普及活動です。

畑のなかで循環が完結している
リアルオーガニック農園

そうした調査のなかで、私は感動する食体験をしました。ある篤農家の農園では、多品目の野菜が有機栽培されていて、インドのハーブであるニームも一緒に育っていました。敷地内に家畜として、鶏や牛を飼育。一切の化学合成農薬や化学肥料は使わず、自分の農園で育つ農産物やハーブを原料に、自家製農薬や肥料を手造りし、家畜の糞は堆肥として活用していました。このように、肥料も虫対策のスプレーも原料はすべて農場内のものでできれば、わざわざ借金をする必要はありません。先進国では畜産は産業化されて、家族経営の個人農家であっても家畜を飼う農園はもうなくなってしまいました。有機栽培農家も肥料は自家製でつくっても、その原料となるものは業者から購入することは当たり前です。でも、インドの農村の有機農家たちは自分たちで家畜を飼育し、農場内のハーブを肥料や農薬の代替資材として活用していたのです。循環のループが農園内で完全に回っている! 私は衝撃を受け、アジアの農村の有機農業へのポテンシャルを感じました。文字通り循環型の有機農業をインドの農村で目の当たりにして、化学薬品に依存する農業の問題や、今後の農業のあり方、地球規模での持続可能な発展のあり方を考えさせられました。こうしたインドの農村での研究調査経験が、ヒーリングフードとオーガニックの普及に燃える私の使命感につながっています。

- ヒーリングフードLIFE - 2025年10月発刊 vol.217

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