このコラムを連載させていただいて、2年が経過しました。私の弁護士としての仕事や、ダンサーとしての活動をご紹介してきましたが、振り返ってみると、自己紹介らしい自己紹介をしてこなかったような気もします。そして最近、私の事務所に変化がありました。
そこで今回は、2年遅れの自己紹介と、事務所の変化について書かせていただこうと思います。
鹿児島から京都へ
私たち法律家は司法試験に合格した後、実務法曹としての資格を得るために、司法修習という法曹養成のための教育を受けなければなりません。司法修習期間は、現在1年間ですが、その大部分は、裁判所に割り振られた修習地で実務修習を受けることになります。
私の実務修習地は、鹿児島県でしたので、鹿児島地方裁判所、鹿児島地方検察庁、鹿児島市内の法律事務所で実務修習を受けました。そして司法修習終了後、私は縁あって、実務修習を受けた法律事務所に就職し、鹿児島で弁護士としてのキャリアをスタートしました。その後、鹿児島で2年間弁護士の仕事をした後、2015年、学生時代から長く生活してきた京都に転居し、縁法律事務所を開設しました。
縁法律事務所は、その後、約5年の間、私1人が経営・所属する法律事務所でしたが、今年の春、松田めぐみ弁護士と合流して、弁護士2名が経営・所属する事務所になりました。
松田弁護士と知り合ったのは、私が京都に移転した後のことですが、知り合った後に話をすると、彼女もほぼ同時期に、同じ九州の大分から京都に引っ越したとのことでした。また、同じ京都大学総合人間学部の出身であることや、高齢者や障がい者の案件に多く取り組んでいる点など、共通点もありました。こうした縁があり、この春、私と松田弁護士は、合流する運びとなりました。
京町家を事務所に
松田弁護士との合流に伴って事務所が手狭になったことから、引越しもおこないました。新事務所は、築年数不詳の京町家の一角です。最近、ちょうどリノベーションされたばかりのスペースで、居住用物件としてリフォームされたとのことでしたが、家主にお願いしてみたところ、法律事務所としての利用を快く受け入れてくださいました。
建物の外観は和風ですが、内装はモダンです。1階は奥行きがあり、ダーク・ブラウンのフローリングやダウンライトが、落ち着いた雰囲気を作っています。相談スペースは1階にあって、来られた方と落ち着いて話をできる空間です。
他方、2階は個室と共有スペースがあって、1階と同じくモダンなデザインですが、見上げると剥き出しの梁が各部屋を貫通しており、デザイン上のアクセントになっています。ダイナミックな梁の下に佇むと、建物自体が生きて呼吸をしているかのような気がしてきます。
また新事務所の少し東側を、鴨川が流れています。鴨川は、京都市内を南北に流れる川で、その河川敷は、市民の憩いの場やジョギング・コースとして親しまれています。私も鴨川の近くに引っ越したことから、ときどき鴨川を散歩するようになりました。
ともあれ、今後、互いに切磋琢磨し、社会に貢献できるよう努める所存ですので、松田弁護士ともども、どうぞよろしくお願いします。
昔見た映画がフラッシュバック
脈絡がないようで恐縮ですが、鴨川近くに引っ越したせいか、最近、20年くらい前に観た『お引越し』(相米慎二監督)という映画を思い出しました。この映画は、婚姻関係がほとんど破綻して、夫が引越しをして一人暮らしを始めた夫婦と、その間で苦悩しつつ精一杯生きる子どもの心身の成長を描いた作品です。作品の主な舞台は京都で、子役の田畑智子さんが鴨川を疾走する場面なども印象的です。