4タイプと会議?
8年前、夫と私は東京で家探しを始めましたが、「これだ!」と納得いく物件になかなか出会えず困り果てていました。希望条件に合致する物件に足を運んでもなにかがしっくりきません。条件を見直しても結果は同じ。理屈では説明のできない違和感が続いて、ようやく気づいたのです。「これは条件の問題ではない。私たちの内面の問題なのだ」と。
自分自身の感覚よりも、損得勘定や他者の意見、正しさ、良いか悪いかなどを基準に判断すると、違和感が生まれます。違和感はそのズレを修正するためのすばらしいサイン。夫と私もまだ気づかぬズレに気づき修正すべく、家探しに関する「影響力の4タイプR会議」をおこなうことにしました。
この会議は私の師匠エドウィン・コパードから伝授されたすばらしい方法で、物事が暗礁に乗り上げたときや重要な意思決定に使います。やることはいたって簡単。自分のなかにいる4タイプに意見を求めるだけです。すると、4タイプはそれぞれ異なる視点から率直な意見を伝えてくれます。4タイプの意見は自分の無意識の声。すなわちいままで気づいていなかった自分の内なる声(感じていること、真の願いなど)に気づくわけです。気づくから見方が変わり、思考が変わり、行動そして結果が変わりだします。さて、難航していた私たち夫婦の家探しについて、4タイプに意見を求めるとこんな意見が返ってきました。
戦士「任せろ! 準備はできている」
魔法使い「仕事ばかりの人生は、もう御免だ」
恋人「人生をもっと楽しんで」
主権「私たちが成長し、たくさんの人が幸せになる場所がよい」
この段階では、まさかの逆転劇が起きるとは(それもすぐ翌日に!)、夫も私も想像していませんでした。
内なる声が現実を変える
実は当初、夫と私は東京を離れ、自然とゆとりのある場所で暮らすことを望んでいました。しかし、東京を離れると仕事に不利なのではないかという懸念(損得勘定ともいえます)が拭えず、妥協したのです。さらに自宅兼事務所を探していたので、機能性ばかり重視した家探しでした。自分たちの真の望みよりも、頭で考えた正解を優先していたのですから、どおりでどの物件も違和感満載だったわけです。
海や緑が近く、広々として自分たちの意識が拡がる、そして人が集い幸福を感じる場所。4タイプの率直な意見のおかげで、こうした真の望みを思い出した私たちにどんな逆転劇が起きたでしょうか? それも会議の翌日に。
なんと、家探しをしていた東京から60キロ(電車で1時間強)も離れた逗子という街に理想の一軒家が見つかったのです。それも海や富士山を見渡せる閑静で広々とした住宅街に。そこからは契約、入居とトントン拍子で決まりました。
東京で物件を探していたのに、半年も前からネット掲載されていた逗子の物件が突然表示されたのは、今でも不思議ですが、内なる声に耳を傾けると、こんなことも起きるのです。答えは最初から自分の内側にあって聞いてくれるのを待っています。内なる声(感性・感覚)に耳を澄ませば、答えはそこに。