唐突ですが、僕はジャズライブが大好きです。特に、行きつけのお店のジャム・セッション(予め用意されたアレンジなしにミュージシャン達が集まって始める即興演奏)が大好きでした。
私が感じるジャム・セッションの魅力は、ミュージシャンのアドリブが広げる自由な世界観。そして、ミュージシャン同士あるいは聴衆をも巻き込んだ掛合いが生み出す微妙な均衡を保った空気感です。ベースとなる楽譜とコード進行の一定のルールは存在するものの、後はその場・その時の気分次第の自由裁量で、他のミュージシャンや聴衆を相手に音楽を通して対話を始めるという感じです。型にはまった・期待を裏切らない(超えない)音楽と違って、その時・その場に居合わせた人たちと共感する未知数の期待に興奮します。それはテクニックに長けているミュージシャンだから絶対的に素晴らしいというわけではなく、独善的な演奏が逆に周りの共感を得られないことだってあるわけです。
実は自分の仕事についても同じような感覚で捉えています。ご提供する商品やサービスには無論、自信・愛着があり、常に最善を心がけていますが、私の思う良質が、すべてのお客様にフィットするとは限りません。それをふまえて、黒糖作り体験の案内ではお客様の家族構成をみて案内内容のウエイトを変えますし、同一商品のご提案でもホテル向けの朝食ビュッフェと小売向けのお土産ギフトでは説明するサービス価値は異なります。
事業開始当初より掲げている、お客さまと共に喜びを創造する「共創」の心を大切に、喜びと感動をお届けしてまいります。変わらぬご支援を賜りますよう、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
オルタナティブファーム宮古代表
松本 克也(まつもと かつや)
自動車メーカーなど14年の研究職を離れ、2012年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。