短期的なスパンでの振返り
日々何らかのタスクに追われ、計画遅延や締切り遅れの仕事を常に幾つか抱え、お会いする人やお送りするメールの二言目には「申し訳ありません」が入ってしまうような毎日。「今出来ていないこと」に目を向けると自分がダメダメ人間に見えて、現実逃避したいぐらい自己嫌悪に陥ってしまうので、いつ頃からか「今日出来たこと」に目を向けるように意識しています。ただそれは単純に、精神的に自分を守る為の手段であったと思います。
中期的なスパンでの振返り
ところで、会社紹介の機会や年度末を迎えて決算報告書の準備など、時々に状況を振返ることがありますが、どのタイミングでも共通して気づいていたことがあります。それは、「意外と計画通りに進んでいる」ということ。実はそれがなんとなく不思議でした。なぜなら、日常的に「計画通りにいけていない」と無意識のレベルで自己認識していたからです。
大いなるミッションを抱いて自動操縦
恐れ多いことですが「農産事業を始めて3年目にしては良い成果を上げているね」とご評価いただくことが時おりあり、自身では到底評価に至らないと思っているので、その度ごとに、冷や汗と苦笑い交じりで「まだまだ精進してまいります」とお応えします。
考えてみると、プレマへの転職・宮古島プロジェクトへの参画を意思決定した当初から、大いなるミッションをいただいて、ライフワークとして徐々に自分のものとしてきました。客観すると、根底に大いなるミッションを抱いているからこそ、短期的には慢性的な能力不足を感じながらも、目標とする方向に向かってジリジリと成果の積み上げを続けている、ということのようです。
大いなる自己矛盾の中で常に意識的であること
自動車会社で車体軽量化技術に心血を注いでいた頃、地球環境問題が枕詞のように引き合いに出される環境下にあって、燃費向上によるCO2排出量の削減という社会貢献軸を旗印にしていました。しかし、自分が関与している経済活動は「地球環境を回復させる動きであるか/破壊を続ける動きであるか?」二者択一の選択を求められるとすると、(車の生産・販売を前提とする以上)全体的には後者であると言わざるを得ず、実は自己矛盾の中で悶々とした気持ちを抱き続けていました。自動車、スマホ、電気……、すべての便利な道具は手放せませんし、技術は進化・進歩を続けるべきだと思います。ただ、なるべくなら、より多くの人に心から喜んでもらえるような公益性が高く価値ある仕事をしたいとは、ずっと思っていました。
今、(1)安心・安全、(2)美味しい、(3)健康に寄与、(4)自然環境の回復を旗印に、無農薬・有機栽培を前提とした農産・加工事業に従事し、「矛盾はないか?」と問われると、まだまだ多くの矛盾を内包しています。たとえば畑作業では、軽トラ、耕運機、トラクターのお世話になっていて、私たちが子どもの頃から資源枯渇が問題視されてきた化石燃料を燃やしてCO2を排出しています(苦笑)。
ただ、意識的であろうとすることは明日の行動をより良いものに変えるチャンスを秘めていると思っています。宮古島に移住する前、宇都宮にいた頃は福島原発の事故処理について常に関心を持って見守り続けていましたが、今、問題解決した訳でもないのに自ら積極的に知ろうという努力をしなくなっていて、先般不意に土壌持出しについて問題提起いただいた時に無意識でいる自分に気づいてドキッとしました。
良いと思える方に向かってシンプルにストレートに自分を方向付けて、良い心持をもってなせることを粛々と着実にやり続けていけば、後は自動操縦で結果が伴ってくれるはず。今年も一年楽しく頑張っていこう。
松本克也 プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役) 2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。 オルタナティブファーム宮古のfaceBookページはこちら>> |
プレマ株式会社の『宮古島プロジェクト』 宮古島の自然農法を推進し、島の健全な地下水と珊瑚礁を守り、お客様に安心と安全を届けます。 |