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バッチフラワー物語

【Vol.68】第2話「未来からの声」その2

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東京の下町にある「苦手喫茶」。一見何の変哲もない店に集う常連たちと訳ありのお客たち。彼らが頼るのは、マスターの苦手雄蔵(ニガテユウゾの持つある特技。今日の悩みは…

(前回からの続き)
 「わたし好きな人ができると、ついつい何でもしてあげたくなってしまうんです。」

 「例えば ? どんなこと ? 」今度はツルが聞いた。 「そうですね、例えば、夜中の2時でも3時でも、帰ってくるまでずっと起きて待っていたり、とにかくわたしにできることは何でもしてあげないと気が済まないんです。それに、好きな人ができるとなぜかどんどんお金も入ってきて、いつもそうなので、全部使ってしまってもちっとも惜しいとも思わないんです。」「彼もはじめはすごく喜んでくれているのに、気がつくとわたしの元から離れて行ってしまうんです。」
  「それはつまり、尽くし過ぎるということですか ? 」林田はしだいに話に引き込まれていく様子だった。「尽くし過ぎて結局、相手をダメにしてしまうということなんですかね。」 

 女は無言で目を伏せた。「ただわからないのは、そんなにいろいろしてもらっているのに、なんでみんな最後は悲惨な目に、いやいや、不幸な目に、でもなく、よろしくない目にあってしまうのだろうか?」林田が言葉を選びながら誰にともなくつぶやいた。

 沈黙がしばらくその場を支配した。その後に、ようやくマスターが口をきいた。「真実を伝えようとする意図とは別に、何かを隠そうとしてしまうのがお話というものなんじゃよ。」
 「つまり、どういうことですか ? 」林田が眉を寄せて、首をかしげた。「あんたは小さいころ、親に見捨てられたことがあるのではないかね ? 」マスターの問いに女は何か思い当たる様子だった。

 「あの…。」「弟が生まれつき重い病気で、私はずっとお祖母ちゃんの家で育てられたんです。」「時々家に帰ると、母はいつも弟に付きっ切りで、小さいころから母とゆっくり話をした記憶がほとんどありませんでした。物心ついた時には自分の服は自分で洗濯していたし、学校のお弁当も毎日毎日、自分で作って行きました。」「別にそんなことは当たり前だと思っていたので、辛いとかそういうことは全然なかったです。ただ…ある時…学校の帰りに部活で少し遅くなって、友達の家の前を通ったら、偶然、夕ご飯の様子が垣根越しに見えて、その光景にひどく打ちのめされてしまったんです。すごくショックでしばらくその場を動けなかった。ああ、他の家ではあんなに楽しそうにみんなで食べるんだって、初めて気が付いたんです。そしたら、なんだか自分だけが親に捨てられた子犬みたいな感じがしてきて、涙がポロポロ出てきて止まらなかった…。」「たしかその日からなんです。時々部屋の片隅や、こたつの中に、小さい黒い生き物が見えるようになったのは。」
  「小さい黒い生き物 ? 」いつの間にかぼんやり話を聞いていた林田が驚いたように目を開いた。「そうですね、ディズニーなんかによく出てくるような、そうそう、トランプのジョーカーみたいな感じの…。」「それって、あ、あ、悪魔ってことですか ! 」「ええっと、あれって悪魔なんでしょうかね ? 」女は自分でもよくわからないという感じで首をかしげた。


矢吹 三千男

矢吹 三千男氏 生来の虚弱体質で16歳の時に十二指腸潰瘍を患い、ヨガと占いにはまる。二十歳の時には身長が175センチで体重は50キロ。いつも複数の薬を持ち歩く。様々な健康法を実践するもほとんど効果なく、ようやく食養生で体質改善に成功したのは30代も半ばを過ぎていた。その時、生まれて初めて「健康」を実感する。製薬会社勤務などを経て、その後バッチフラワーに出会い、現在(株)プルナマインターナショナル代表。 著書『感情のレッスン』文芸社刊

こころと感情を癒す花のメッセージ「バッチフラワーレメディー イギリスで70年以上の伝統がある花の療法です。依存性や習慣性もなく、世界60数カ国で多くの人々に愛され続けています。 バッチフラワーレメディーの詳細はこちら>>

- バッチフラワー物語 - 2013年5月発刊 Vol.68

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