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【Vol.85】知って役立つ、日本の伝統食材 すっぱさが効く、梅の実力

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「梅はその日の難逃れ」「梅は三毒を絶つ」そんないわれもある伝統の食材。梅は、有機酸やミネラル、その他さまざまな栄養素を豊富に含む、優れた食材です。体調を崩しやすくなるこれからの季節におすすめ、毎日の健康維持や美容ケアにも欠かせない、梅パワーについてご紹介します。

栄養豊富な梅はリンゴを超える万能選手?

骨、歯、血液、組織液など人間の体を形成するものには、一般的にミネラルと呼ばれる、鉱物性の栄養素が含まれています。これらが不足すると、人間の体は様々な不調を引き起こしてしまいます。
梅にはミネラルが豊富に含まれています。その含有量は、医者いらずといわれるリンゴよりも多く、カルシウムはリンゴの約4倍、鉄は約6倍も多く含まれています。さらに、マグネシウムや亜鉛なども、梅の実の方が多く含んでいます。
また、ポリフェノールやビタミンEなど美容に嬉しい成分も豊富に含まれ、野菜や果物の中でも優れた含有量を誇ります。

梅パワーの源、有機酸

体のエネルギー代謝がうまくいかないと、栄養素の不完全燃焼から、乳酸という毒素が発生します。乳酸は、疲れや肩こりにはじまり、体の不調の原因となります。
梅の酸味成分でもあるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は、糖質の代謝を促し活性化させる働きがあります。これにより乳酸などの疲労物質が燃焼し、エネルギー代謝がスムーズになります。また、クエン酸はその酸味によって食を進めるだけでなく、消化の働きそのものも助けてくれます。
梅に含まれるクエン酸は、抗菌効果にも優れています。昔からおにぎりやお弁当にはよく梅干が入れられていましたが、この効果を利用したものと考えられます。梅の抗菌作用は、お腹の中に入っても発揮されると考えられ、研究が進んでいます。

食事バランスを整える、梅のサポート力

健康維持のためには、体液(血液や細胞液)を弱アルカリ性に保つ必要があります。しかし、ご飯やパンなどの主食や肉や魚などの主菜は、その多くが酸性食品で、現代生活ではどうしても酸性食品を多く摂りがちです。体液が酸性化すると、血液はドロドロに、血行不良などの原因となり、不調の悪循環が起こります。そういった事態を防ぐためには、アルカリ性食品を食べて、酸性を中和する必要があります。
梅干しは、優れたアルカリ性食品です。たとえば、牛肉100gに対して、梅干しはたった5g(約1/2~1個)で十分な働きをするといわれます。
また、カルシウムは、現代人に不足しがちな栄養素で、積極的な摂取が推奨されています。しかし、吸収効率が悪い栄養素でもあり、毎日の食事で気をつけていても、体になかなか定着しません。しかも、カルシウム吸収率は年齢とともに低下していきます。クエン酸などの有機酸には、そのカルシウムの吸収を促し、カルシウムが骨から持ち出されるのを防ぐ働きがあるといわれています。

注目を浴びる、様々な梅成分

梅干しにはピルビン酸という成分が含まれ、外食やお酒の席が多い方の役に立つのではと注目されています。
また、ジャムや梅肉エキスなど梅を加熱すると、梅に含まれる糖とクエン酸が結合しムメフラールという成分が作られます。ムメフラールは血流改善などに役立つと考えられています。さらに、ムメフラールは還元力の優れたビタミンCの10分の1の量で同じ働きをする可能性があるという研究もされています。

<らくなちゅらる通信編集部>

 

■ご存じですか? 梅のはじまり


日本で古くから親しまれてきた果物、梅。諸説ありますが、3世紀末頃、日本にもたらされたといわれています。奈良時代には、柿や桃、あんずなどと同様に生菓子に加工して食べていたようです。時代を経て梅の効用が知られるようになり、梅の塩漬けが保存食などとして用いられるようになりました。平安時代中期には、梅干の原型ともいえる梅の塩漬けが「梅干」として書物に現れます。鎌倉時代頃からは梅干しが重宝されるようになり、戦国時代では保存食や、傷の消毒、食中毒・伝染病の予防に活用されました。江戸時代に入ると、梅干は庶民の食卓にものぼるようになりました。しそ漬けの梅干しが普及し始めた他、甘露梅などさまざまな梅の漬け方がされるようになります。現在の梅肉エキスの原型は、江戸時代後半に生まれました。

■梅の種類と活用法

未熟な青梅の種子にはアミグダリンという物質が含まれおり、これが分解されると有害な青酸を生じます。そのため、梅は生食はできず、加熱またはアルコールや塩漬けにして活用されます。梅には、粒の小さな小梅、未熟なうちに収穫し主に梅酒に使う青梅、ある程度熟してから主に梅干しに使われる完熟梅などがあります。5月下旬~6月下旬にかけて、小梅・梅酒用・梅干し用と順次店頭に並びます。

■主な品種

南高梅(なんこうばい・なんこううめ)
和歌山県の代表的な品種。粒が大きく皮が薄く果肉が肉厚で柔らかいのが特徴。
古城(こじろ)
和歌山県で多く作られおり南高梅よりやや小さめの梅で、梅酒に向いている品種。
白加賀梅(しろかがうめ・しらかがうめ)
南高梅よりやや小さめの梅で、果肉は肉厚で繊維が少なく緻密。色合いはやや黄緑に近い色をしており、関東を中心に出回る品種。
竜峡小梅、甲州小梅等
カリカリ梅干しなどにされる小粒の品種。

■梅の保存方法

梅は収穫後も追熟が進み傷みやすいので、なるべく早めに加工して保存しましょう。すぐに加工できない場合は、常温の冷暗所で保存します。10 度程度の環境だと少し日持ちします。冷蔵庫で保存すると低温障害を起こし表面の陥没や褐色化を起こすことがあるため、冷蔵庫保存は避け、新聞紙などに包みできるだけ涼しい所で保管しましょう。

■梅の冷凍保存

梅を収穫後、すぐに加工できない場合は、冷凍保存しましょう。

1)青梅は水洗いし、たっぷりの水に2~3時間
浸けてアク抜きします(黄色く熟れた梅はアク
抜きする必要はありません)。
2)ザルに取って水気をきり、竹串などでヘタを
取り除いて水気をふき取ります。
3) 密封袋(冷凍用保存袋など)に(2)を入れて
24 時間以上冷凍します。

解凍方法

梅ジュースや梅酒に使う場合は冷凍のまま仕込むことが可能です。梅ジャム等にする場合も、解凍せずにそのまま火に掛けると良いでしょう。それ以外に使う時には冷蔵庫内や庫外で自然解凍をするか、水でサッと洗い、鍋に梅と同量の水を加えて数分加熱して解凍します。同様の方法で電子レンジでも可能です。冷凍梅200g で2カップの水が目安です。梅のサイズや冷凍期間により加熱時間を加減してください。

 

- 特集 - 2014年10月発刊 Vol.85 -

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