『美味しく・楽しく・学べる』体験型観光でバナナ畑をご案内していて、驚き・感心・納得していただく話の続編です。宮古島を直撃した大型台風18号は、さまざまな被害をもたらし、うちのバナナも約1000株が幹の途中でボキっと折られたり根元から倒されたりして、ほぼ全滅でした。
バナナの若葉は愛らしい「奉書包み」
幹の頭頂部・中心から吹き出してくる若葉はクルクルと丸まって収納されていて、てっぺんから顔出しするにつれて徐々に「奉書」を解いて、葉を大きく広げていきます(写真右)。先に広げた葉っぱたちは外に押しやられながら幹を形成していきます。幹の断面を見ると丸まった葉が重なり合ってできていることがわかります(写真左)。つまり植物学的には「木」ではなく「草」の分類になるのです。だから、台風などの強風にすっごく弱いのです。
内に秘めたるたくましい生命力
一方、倒されたバナナからは、たくましい生命力が見られます。
①幹の途中でポッキリ折られたバナナは「オレまだ生きてるよ!」とばかりに中心から若葉をニョキニョキ出します。
②根元から倒されて大部分の根っこが損傷を受けた株は「吸水能力を上げようぜ!」と新しく発根します。
③倒された親株の脇に「後はオレに任せてくれ!」と子株が芽吹きます。
再スタートのために、現在、倒されたバナナを撤去し新しく子株を育てるところから開始しています。成長を見守る私も相応のたくましさを身につける必要がありますね(苦笑)。
オルタナティブファーム宮古代表
松本 克也(まつもと かつや)
自動車メーカーなど14年の研究職を離れ、2012年5月に家族4人で宮古島に移住。約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。