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CHOICE するということ

体の中からきれいになる形成外科医が伝える医学部では教えない栄養学の話

鈴木形成外科院長/CHOICEオーナー&プロデューサー
日本形成外科学会認定専門医・日本レーザー医学会評議員
日本臨床皮膚外科学会理事・京都形成外科医会 会長
第1回ベジタリアンアワード企業賞受賞(CHOICE)

鈴木 晴恵 (すずき はるえ)

京都市出身。アジアにおいてレーザー治療をいち早く導入し、シミ、あざなどの数々の治療方法を確立。メディカルエステを考案、定義し、実践してきた。
仕上がりの美しい眼瞼下垂症手術に定評がある。3.11を機に「食」と真剣に向き合い、栄養学を突き詰めた結果、
最善の食事法はplant basedwhole foodsと気づく。クリニックに栄養外来を立ち上げる傍ら食のお手本を示すカフェ『CHOICE』開業。
大学生の娘の母親でもある。

子どものためのプラントベースホールフードの食生活⑪

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前号で子どもに穀物を与える際の注意点を書きました。今回はその他の食材について解説します。

でんぷんについて

乳児に全粒穀物を与えることについて否定的な意見があります。幼児の腸はでんぷんを消化する酵素であるアミラーゼ濃度が低いという研究が根拠となっているようですが、本当にそうでしょうか。世界中の赤ちゃんが離乳期から穀物やでんぷんの多い野菜を食べていますが、消化・吸収不良を起こすという事実はありません。歴史的に見ても、赤ちゃんは何千年もの間、でんぷんや穀物を消化してきました。乳幼児の腸内アミラーゼ濃度が低いとしても、唾液や母乳に含まれるアミラーゼで十分に補われます。消化されなかったでんぷん(レジスタントスターチ)および食物繊維は、大腸まで届き、善玉菌の餌になります。P‌B‌W‌F(プラントベースホールフード:植物性の食材をなるべく精製加工することなく食べる)の子ども(大人も)は、動物性食品を食べる人たちよりも健康的な腸内細菌叢を持っています。

野菜

離乳食初期は単一の野菜をピューレにして与えます。月齢が上がれば複数の野菜を組み合わせて潰し、穀物と一緒に与えられるようになります。よく加熱した野菜は赤ちゃんが手掴みで食べるのにとても良いメニューです。積極的にさまざまな野菜を食べさせてください。早い時期から野菜を食べるほど、成長しても野菜好きになる傾向があります。野菜を一口かじるごとに健康な体を作っているのです。

ほうれん草などの葉野菜はビタミンや食物繊維の他、鉄や亜鉛、カルシウムなどのミネラルを摂取できる重要な食材です。離乳食初期は加熱してピューレにし、他の野菜や穀物、でんぷん質のものと組み合わせて与えます。スムージーにするのも良い方法です。野菜に含まれるシュウ酸は、生後3ヶ月未満の赤ちゃんには避ける必要があります。しかし、離乳食を始める4~6ヶ月位になればシュウ酸を含む食材も、食事の一部として安全に与えることが可能になります。

果物

赤ちゃんは生まれつき甘い物が好きなので、果物を食べさせることで困ることはないでしょう。固い果物は初めのころはピューレにするか、柔らかく加熱する必要がありますが、バナナなどの柔らかい果物は、初期から手掴みで食べさせられます。

豆類

すべての豆を離乳食に使用することができますが、大人と同じく消化が悪く、お腹にガスが溜まりやすい豆もあります。しかし、豆を一晩水に浸け、数回洗うことでガスの発生を軽減できます。豆類は離乳食初期ではよく加熱しピューレにし、水や母乳、ミルクなどで適度に薄めて与えます。よく加熱した柔らかい豆は自分で食べようとする赤ちゃんの手掴み用の食事にぴったりです。なかでも小豆やムング豆は消化が良いので、子どもの食事に適しています。

ナッツ類と種子類

ナッツ類と種子類はカロリー密度が高く、発育盛りの子どもにとっての最も健康的な脂質源です。しかし、喉に詰める危険があるため、3歳から4歳まではナッツバターや、ブレンダーでソースやディップ、スムージーにして与えると良いでしょう。ピーナッツのようなアレルギーを起こしやすい食材に早期に触れさせることは大きくなってからアレルギーの発生を軽減できることがわかっています。少量のピーナッツやナッツ類を離乳食に加えるようにしてください。

ハーブやスパイスも赤ちゃんのうちから与えると良いでしょう。砂糖と塩は使わないように気をつけてください。

- CHOICE するということ - 2024年8月発刊 vol.203

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