「水分だけでなく、塩分・ミネラルの過不足も考えよう」。真夏の熱中症対策や、足がつるという悩みへのアドバイスです。ここでは、水分・塩分・ミネラルのそれぞれの過剰か不足、という6つの可能性を挙げています。
「わかりました」と答えた人に、なにがわかったのか確認してみると、「塩分を減らす」か「水分をもっと摂る」と返ってくることが多くて驚きます。日頃の食事や生活状況を知らないままで、「塩分が多すぎるから減らすように」など、言えるものではありません。伝えた6つの可能性が、即座に1つか2つに狭められ、わかった気になられてしまう。なにがわかったのかと問い直したくなります。
足がつるのが左右の決まった側、決まった部位ばかりであれば、歩き方や動き方の癖を探る必要が出てきます。部位が決まっていなければ、身体の内側を疑います。塩分の摂り過ぎが心配でも、極端な減塩が逆に体調不良を起こす可能性だってあります。あとはクスリの副作用などを疑うこともあります。塩分が不足気味の人がさらに減らしたり、水分の摂りすぎの人がさらに摂ったりすれば、症状は酷くなってしまいます。最初に可能性を狭めてしまうことで、的外れな対症療法を繰り返してしまうかもしれません。
塩分が良くないと思い込まされてきた減塩「指向」、水分は好きなように飲みたいという「嗜好」。これらの2つの「シコウ」が、自分で物事を考えるという「思考」の邪魔をしてしまっているのです。
可能性の拡げ方
「占い師に相談するまえに、自分がまずその占い師を占っている」と聞いたことがあります。自分が言ってほしいことを言ってくれそうな占い師を、先に選んでいるとのことでなるほどと思いました。人はだれかに相談するとき、自分に都合の良いことを言ってくれそうな相手を選ぶこともありそうです。冒頭の話では、あらゆる可能性を伝えたところで、耳触りの良さそうな項目だけが選ばれるということかもしれません。
別の言い方をすれば、すでに知っていること以外を除外するのもありそうです。知らなかったこと、初めて知ることに対する不安もあって、未知、未経験のことから自分を守ろうとしてしまう。その意味においては、普段から知らないことも「知らん」と切り捨てずに興味を持つよう心掛けるのがよさそうです。初めて見たものでも、大丈夫そうなら触ってみるとか、匂いを嗅いでみるとか、口に入れてみるとか、五感をフルに使って感じてみる。生きていくとは、知らなかったことも考えたり想像したり体験したりして、拡がっていくものです。
一度経験しておけば、判断がつきやすくなります。自分で考えて動けるようになります。自分なりの「試行錯誤」が、明日の自分をつくっていくのです。
自分で知るということ
禅の言葉に「冷暖自知」とあります。冷たさも暖かさも、自分で知る。他人から聞いたり説明されただけではわからず、自ら体験して初めて理解できることを表します。例えば、冬の寒さや温かいお湯の感触は、実際に触れてみないことには本当のところはわからない。物事の本当の意味や価値は、自分で体験して初めて理解でき、自分のものになるのです。
現代の日本で普通に生活していれば、それなりに生きていくことはできるでしょう。そこをあえて、もう一歩踏み出し、自分で経験してみようとすると可能性を拡げられそうです。幼少期から現在に至るまでに、どれだけの経験をし、ときには失敗してきたかが、人としての厚みになるのかもしれません。
自分なりのやり方は、自分が見つけていくしかありません。試行錯誤を恐れずに、自分らしく生きることを目指したいものです。
