歯周病は虫歯と同様に歯を失う二大因子の一つです。歯周病は文字通り、歯の周りの歯茎やその中の歯を支えている骨に変化が起こる感染症で、現在では20才位から注意が必要と言われています。今の科学では歯と歯茎の境目に、よく言われる歯周ポケットという通常2ミリ位の溝がありますが、その溝の中に汚れが入り細菌が繁殖して発病すると言われています。実際にどのような状態で変化していくかをみてみましょう。その前に健康な歯茎とはどのようなものかを知っておく必要があります。健康な歯茎は、色はピンク色で形は歯の縁に沿ったしまった線があり、歯茎の上方はみかんの皮のように小さなブツブツがあります。歯の周りに汚れが溜まっていると、まず歯茎が少し腫れて炎症がおきます。そのような状態は歯ブラシをすると少し出血するような状態です。実際そのような歯茎はピンク色よりは少し赤く発赤しています。形は歯の縁に沿った線は消え、少し腫れぼったくなっています。歯と歯茎の境目に歯ブラシの先を入れるように磨くと、歯肉炎は改善します。この場合歯ブラシは1列の歯ブラシを使うと歯周ポケットにあてることができます。
歯ブラシを当てずにそのまま放置すると細菌が増え、更に細菌の種類も変わり、少しずつ支えている骨を溶かしていきます。支えている骨が下がると歯が動くようになります。梃子の原理で考えると、支点が下がるため動きやすくなるわけです。最近では、歯周病菌は腎臓や心臓の弁、血管の肥厚している壁にも血液を介して感染していることがわかってきています。このような状態で、色々な病気がおきている可能性もあるため、大きな病院では、入院する前に歯科への受診を促すことが多くなってきています。また、入院中の患者さんが、しっかり食べることができず栄養をとれないと、病気も治らないという悪循環がおこるわけです。ここでも医科歯科連携が始まっています。
歯周病は糖尿病との関係もあると言われています。さまざまな病の治療の根本に歯の治療が必要となります。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師.整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |