マクロビオティックを学び始めると、陰陽だ、五行だという基本的な宇宙の仕組みからいろいろな食べ物、森羅万象までを眺められるように変化していきます。「科学的思考の常識」とされている画一的な日本の学校教育を受けていると、食べるものと宇宙の間の相関関係なんてバカらしい、ということで終わってしまうことでしょう。私たちのような広く俯瞰して物事を捉えようとする会社に行政が押しかけてくると、役人からこのような常識を振りかざされて、「非科学的なことを言って申し訳ありません。もう二度とこういうバカなことはしませんので、どうぞお許しください」という始末書に署名捺印をさせられます。
食べ物についての考察は近代栄養学が「科学的」であることのすべてであり、この国ではそれ以外の主張をすることは基本的に許されていないことになっています。彼らが合理的な根拠として立脚する「栄養学」なるものも、最新の研究成果ならともかく、ものすごく古いところで更新が止まっています。わかりやすいところでは、ビタミンD3はこの国の官吏にとっては、単に骨の栄養であって、それ以上でもそれ以下でもありません。国が定めている推奨・上限摂取量も世界標準のそれとは隔たりが大きすぎます。聡明な皆さまならご存じの通り、ビタミンD3は免疫系と強く関係していることが世界中の論文で証明されており、COVID-19下でその研究は一気に進みました。摂るべき量も日本国が定めている量とはまったく違い、健康を維持したいのなら、研究によってもっと多く摂るべきだと明らかにされています。しかし、そんなことをビタミンD3が入っている商品の説明文で私が言おうとすれば、私は逮捕されてしまうかもしれません。たとえ根拠があって正しいことであっても、国が出している古文のような文書に記述されていないことを言おうものなら、「許さないぞ」というのが政府の基本的な立ち位置です。ビタミンの話でこれですから、ワクチンの話が合理的かつ科学的であることを国に期待するほうが間違っている、ということなのでしょう。
そんな「非科学的」で「馬鹿げている」マクロビオティックが教えるところによれば、人間の身体を芯からぽかぽかと温めるドリンクは以下の通りなんだそう。
摘み取った茶葉と茎を天日干しして3年熟成させた番茶をじっくり抽出、そこに天日干しを経て多様なミネラルを含んだ海塩に時間をかけて漬け込まれた梅干しをコロンと入れ、さらに数年の発酵を経てしっかりと醸造された醤油を加え、最後に絞ったショウガの汁を加えたもの。それを熱々のままで梅の実をじくじく潰しながら、全部飲む。
こんなふざけたことを言うのが自然食屋だから、科学の裁きを下さなければなりませんよ! こんなことで体温が上がり、免疫力が高まったり、生理痛が楽になったり、貧血が緩和されたり、痛みが楽になったりしたら、それこそ科学者も医薬品もいりませんわ!あほらしいことこのうえないですよね? ふざけてますよ、ほんとに。
こんなに素晴らしいことをマクロビオティックは教えてくれているのですが、まったく科学的とはいえません。そのため、世の中からはほとんど駆逐されそうなのと、これらの素材がいずれも農薬が関与していては「陰性」に偏って効果が落ちるという問題があります。そのうえ現代人は面倒くさがりなので、なかなかこういう手間のかかる飲み物の材料を揃えて毎回作るなんてタイパが悪いということになってしまいます。さらにこの非科学的な飲み物、「梅しょう番茶」なんて変な名前がついていて、「しょう」は醤油なのかショウガなのかもよくわからないので、私がわかりやすい名前をつけて、最初から混ぜて作っておきました。あなたは熱湯に1パックを溶かして飲むだけ。体温の維持と免疫力こそ重要なこの冬に、ぽかぽかの非科学飲料をぜひどうぞ。