宮古島の観光人気は依然として高いですが、 受け入れる側の宮古島市としても「観光に来られるお客様がなにを期待して宮古島に来るのか？」「宮古島の真の魅力とは一体なにか？」という問いかけをしています。綺麗な海を見て、宮古そばを食べ、泡盛を飲んで、満足して帰られるのかもしれません。でも、先日「人と文化こそが宮古島の資産・魅力」という、宮古島市長のお話を聞き、至言だと思いました。

宮古島は珊瑚が隆起した島のために、山や川がなく、表土はアルカリ土壌の痩せた土で、厚みも薄い。また降雨量は多いのですが、大気への蒸散と海への流出により、常に水不足に悩まされてきました。干ばつに加えて、台風銀座の環境で、農業を経済主体としながらも常に厳しい島の状況を耐え抜いてきました。隣人同士で助け合う〝ゆいまーるの精神〟や、不遇の環境に屈しないアララガマ魂は、そういった環境の中から生まれました。いま私たちが目にする宮古島の姿すべては、時代の荒波に揉まれながら、人と自然が作り上げてきた文化なのです。流れる時間がゆっくりと感じられる、いわゆる島時間も、亜熱帯環境によるものだけではなく、島の人の強さとやさしさがあるがゆえだと思います。

移住当初、早く島に馴染めるようになりたくて、さまざま訪ね歩いた時期がありました。今年で宮古島に移住して10年目に入り、徐々に当時の特別が当たり前に変わってきて、意識的に島の文化を学ぶ行動も少なくなっています。

ただ当たり前、常識と思ってしまった時点で、見えなくなってしまうものがある……。いま改めて、僕の大好きな宮古島の魅力を伝えられるように、プライベートツアーガイドを始めることを意志決定しました。生産者との交流を通して、宮古島の自然と人が作り出してきた文化・歴史に直接触れる、現地ガイドならではの稀少・貴重なコンテンツを盛り込んだツアーとして、２０２２年２月の開始を目指して、宮古島ホリデーハックの準備を進めてまいります。

宮古島の北西にあって、夏色に映える間那津（まなつ）ビーチ