小学校から大学まで、毎日学校に行くのが楽しくてしょうがなく、世間知らずで、世の中は自分を中心に回っている、ぐらいに根拠のない自信に溢れていました。今から思うと物事を深く考えることのなかった脳天気な若者でした。
そんな私に、ほとんど人生初の試練が訪れたのは2008年。次々に家庭内で問題が起こり、当時の夫との関係が危機的な状況に陥りました。言葉の暴力や、嫌がらせなど、さまざまなことで精神的にかなりのダメージを受けました。最初は離婚は考えられず、なんとか改善しようとして、あちこちでカウンセリングを受けたり、神父さんの話を聞きにいったり、それまでほとんど無縁だった仏教関係の本を読み漁りました。友人たちも自分のことのように何度も何度も話を聞いてくれました。「自分さえ我慢してこのまま生活を続ければ、それが子どもにとって一番幸せなのだろうか」と迷って迷って、3年間悩み続け、とうとう離婚を決意しました。子どもに申し訳ないという気持ちが強く、それだけが引っかかっていましたが、「自分が笑顔でいられないのなら、そんな私が子どもを幸せにできるはずがない。自分の力で自分と子どもを幸せにしよう」と考えたのです。
京都に帰ってきてからは、家族や子供や友人や同僚……周りのたくさんの人たちに支えられてここまでやってきました。「自分の力で幸せに」と考えていましたが、決して自分だけの力ではここまでくることができませんでした。経験もないのにプレマで採用していただき、中途半端な知識しかなかった自然食のことを学べたこと、それだけではなく人間として大切なこと、ものの見方、考え方を学べたことも大きな糧となりました。この「らくなちゅらる通信」は私のバイブルとしてすぐ手に取れる場所に置いています。
今も、しんどいなあと落ち込むこともあったり、子どもにガミガミ怒ってばかりだったり、まだまだ未熟です。「幸せになって笑顔になろう」と思ったことが実現できているのかわかりません。でも、「人生において起こることに意味のないことはない」というように、離婚によって多くのことを学び、人に出会って、自分の生き方、考え方が大きく変わったことは、大きな価値のあることだったと信じています。「私」という存在は宇宙の一部であり、全人類は同じ宇宙の一部。だれも「他人」ではないと思います。感謝の気持ちを忘れず、自分にできることを精一杯やって、いろいろな人からもらった大切な何かを次のだれかに繋げていきたい、その輪が大きく広がっていきますように……そう願ってやみません。