もうひとつの穴から覗いたら

  昨年12月に国立新美術館で開催された『躍動する現代作家展』に作品を出展し、特別賞をいただいた。会期中に多くの方に作品を感じてもらうことができた。なかには「元気を貰えた」「呼吸が楽になった」「波動が …

  亡くなった親が描いていた絵がたくさんあって困っているという話をよく聞く。描いた人には喜びの表現だったのかもしれないが、家族には価値のないものに映るのだろう。先日もその話を聞いて知らない人の絵を少し …

  絵を見てもらったり、触ってもらったりして、「どう感じるか？」の話をするのが好きだ。感覚には正解も不正解もない。私がどう感じたのかは他の誰にも証明できない。だから、「そうじゃない」と否定できないし、 …

  福岡アジア美術館での公募展に絵を出展した。美術館での展示は初めてで、なんといっても天井の高さに興奮した。福岡に一週間滞在して、絵を見た人がどんな身体の動きや反応をするのか観察し続けた。反応を感じ取 …

  先月号で「もし上手下手に捉われず自由に絵を描いてみようと思われたなら、ぜひ絵を描いて写真を送ってほしい」と書いたら、絵が送られてきた。こういう冊子にQRコードを掲載しても、あまり連絡がこないものな …

  今年の3月に私の絵画が海を渡ってロサンゼルスに行った。まさかこんなことが起こるなんて、絵を描き始めたときには想像もしなかった。これがきっかけで、いつかロサンゼルスに自分の絵を見に行く目標 …

  大人になると「感じたこと」より「考えたこと」のほうが評価され、感じたことを伝え合うことが難しくなってしまう。「感じられない」という人がいるが、それは感じたことを表現した経験が少ないだけな …

「お触り」って語感に、なにかを期待してしまうが、 期待以上の世界が広がっていた 「触れないでください」「お静かに願います」と、美術館に行くと必ず書いてある。だから、行儀よく鑑賞して、一緒に行った妻とも …

  自然物を使って絵を描いてみようと思って、家の庭の土と炭をそれぞれすり鉢で細かくしてふるいにかけ、糊と合わせて絵の具を作った。すると、大地のエネルギーを感じる絵ができた。絵の具やキャンバス …

  なにがアートを作るのか？　思考や感性も身体を通してでしかアートを形づくることはできない。すべてにおいてなにかを現実化するには身体を使う必要がある。それなのに健康を保つ以上に身体を探求する …