食は命なり。そう言われたのは、小学校低学年のとき。給食の先生(今でいう栄養教諭)がよく言っていた言葉。
小学校時代から料理やお菓子作りが好きでした。家でドーナツを作ったときに、油に匂いがつき、晩御飯のおかずのフライがドーナツ風味になってしまい、家族からブーイングされたこともありました。
両親は自営業で、遅くまで仕事をする母を少しでも助けたい! という思いもあり、夕飯の支度は率先して手伝っていました。この時間は母と喋る大切な時間でもありました。学校のことやその日あった出来事を聞いてほしくてひたすら喋りまくる。兄妹の中で一番うるさく喋っていたことはよく覚えています。中学校に入ると楽しい話ばかりではなく、あまり考えたくない将来のことを話す機会が増えました。進路に悩んでいた時期、母が私に「何か専門的な仕事がいいんちゃう? たとえば、薬剤師とか栄養士とか……」と呟いたことがありました。私は「そやなー。薬剤師は、処方ミスしたらイヤやしなー。栄養士がいいな!」という、最初は安易な理由で栄養士になることを夢に持ちました。
栄養士になると決めてから、食に対する関心はさらに深まり、母との夕飯の支度もただお喋りするだけでなく、家庭の味を知る一つの学びの時間となりました。そのおかげでしっかりと母の味を受け継いでいます。高校へ行っても気持ちは変わらず、少しでも早く働きたくて、専門学校で栄養士の資格を取得し、保育園の栄養士兼調理員の仕事に就きました。
栄養計算、献立作成、行事食……園児たちの成長を考え、日々時間との勝負!やはり、子どもたちからの「おいしかった! ありがとう」の言葉はやりがいを感じさせてくれるものでした。母とのお喋りの時間があったからこそ、栄養士の仕事に就き、たくさんの経験ができ、喜びや幸せを感じることができました。
現在は栄養士としての現場を離れ、プレマのジェラテリアで働いています。いつも私のなかにあるのは「食は命なり」。日々の食生活でも、添加物や加工品などはなるべく避けるよう気をつけています。プレマとの出会いも、もともとはプレマの商品が好きで度々店に来ていたことが始まり。何度も来るうちに、ここで働いてみたい! と思い、お店で求人募集の話を聞き、応募しました。好きな自然食品や日用品を扱っている店で働く今、毎日がとてもワクワクしています。たくさんのお客様とのご縁、スタッフとの出会いすべてに感謝。これからもジェラートを通じてたくさんのお客様の笑顔を見たい! そんな思いで店頭に立っています。
プレマルシェ・ジェラテリア京都三条本店 店長
矢谷 文(やたに あや)
趣味は御朱印集め。好きなことは運動! ジムに通ったり朝ウォーキングをしたり……体を動かすことがとにかく好き! 疲れていても汗を流しリフレッシュ。今一番やりたいことは、乗馬です(笑)。