2年前、ある経営者の会で、とてもお世話になっていた友人のSさんが突然お亡くなりになりました。そしてちょうど生前のSさんが熱心に通っていた短歌の会に誘われていた時期でもありました。
小学生のころ、小林一茶ゆかりの炎天寺というお寺が近くにあり、よく俳句を詠んでいたので、短歌も気になってはいたものの、日々の忙しさにまぎれて、すっかり忘れておりました。お誘いを受けたときになぜ短歌を始めなかったのか、とても後悔しました。そして、これもご縁、Sさんの代わりに短歌を続けようと思い立ったのです。短歌の会での初めの短歌はSさんを偲んで作らせていただきました。
「SNS過去の思い出浮かびおり満月笑顔今は亡き友」
「言葉ではきつく言われて腹立つも友の笑顔は私を溶かす」
そのころ、会の皆さんもSさんを偲んでそれぞれの想いで歌を詠んでいらしたのも印象的でした。ウィキペディアによりますと、短歌とは、和歌の一形式で五・七・五・七・七の五句体の歌体のこと。俳句と違って、季語を入れなくてもよくて、わりと自由な内容で作れるのも魅力でした。
短歌の会は毎月1回開催されるのですが、最低二首以上提出することになっていて、日々の仕事などに追われているとあっという間に提出日になってしまいます。回を重ねるうちに、忙しくても、頭を切り替えると情景や言葉が浮かんでくるようになりました。つまり左脳から右脳モードです。
また、日常のさりげないことを詠むことも覚えました。毎日の通勤路の途中に咲いている季節の花や、帰宅途中で見上げた空に輝いている月などをそのときの心のあり方と一緒に詠んだりします。旅行や特別な会での出来事など、感動したことは自然と意識するようになってきました。嬉しいこと、感動したことだけでなく、辛いことや悲しいことも短歌にすると、その後は意外とすっきりしたりします。
最近、SNS上で若い人たちが短歌のグループを作って交流することが流行っていると聞きました。デリケートな心の内を短歌という手段で吐露するのも良いな~と思いました。
短歌の会では他の方の短歌を自分の感じるがままに述べ合います。それによってお互いを深く理解するきっかけにもなる優しい時間です。これからも短歌を通じてちょっとした出来事に感動する感性や、人と繋がることの大切さを育んでいきたいと思っています。
プレマラボ株式会社
営業・商品担当
鈴木 啓子(すずき けいこ)
現代の忙しい女性たちに、米ぬかと大豆の自社製品を使った簡単で美味しいレシピや、食材をまるごと食べる一物全体の大切さをイベントや講座で伝えています。美味しいお酒と肴があればご機嫌の食いしん坊人です。