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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.31】プレマ株式会社 創立10周年に寄せて

投稿日:

弊社は2010年、創立10周年を迎えます。おかげさまで、まったくのゼロからの10年間で、22万人のお客さまとご縁をいただくことができました。10年前、ほんとうに私には何もありませんでした。現金は車を処分した80万円と、二人の子ども、そして「どなたかのお役に立ちたい」という気持ちだけだったことを思い出します。今ではお取引先さまも240社を超えるまでになり、「ご縁とご縁をつなぐ」という私たちの役割も、より明確に、よりシャープになってきたように日々感じています。

「ご縁とご縁をつなぐ」と申し上げましたが、これについて少し深く考察してみようと思います。過日、お取引さまにお声掛けしてお集まりいただき、10周年の記念式典を行いました。その場で「今後の事業計画をお話しします」と、案内状に書いて集まっていただいたのですが、多種多様な背景のあるお取引先さまの前で、何をお話してよいのかという私自身への問いかけは、式典までの3週間、まったくやむことはありませんでした。たった45分間の持ち時間で、全国から時間を割いてお集まりいただく100名を超えるみなさまに、「来てほんとうに良かった」と思っていただけるような話とはいったい何なのかと、一切が手につかなくなるくらい悩みに悩んだのです。大風呂敷を広げるだけ広げて、少ない知性で何とかやりくりするというのが私のやり口で、今回も前日の深夜にいたってもその無謀なやりくりは続いていました。今考えれば、このやりかただけは10年前と変わっておらず、充分な資源がなくても、必死になれば何とかなるという楽天主義のなせる技なのかもしれません。

土俵際まで追い込まれた私は、あることに気がつきました。『どうも、私たちがやっていることは、無限の点と点を結び合う関係に、ひとつの意志ある点として存在して、関与しているのかもしれない。』そして『私たちが進化・成長するのは、お客さまの進化・成長、関与するすべての人やモノたちの進化・成長と複雑に絡み合っているようだ』という2つの発見でした。

「私たち」の隙間にあるもの
非常にミクロに見れば、私たちの体内には細胞があり、細胞は原子の集まりによって成り立っています。原子には原子核を中心に電子が回っていて、その2つのあいだは空間です。

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一方、非常にマクロな視点で眺めたとき、太陽系は恒星である太陽を中心として惑星が転回していて、星と星とのあいだはやはり空間です。

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銀河系は太陽系などを内包する銀河であり、星の集団といえますが、この広大な広さの大半は空間で占められています。

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では、原子と電子、太陽と惑星たち、すべての星たちの相互を関係づけているのはなんでしょうか。「電気のプラスマイナス」、「引力で相互に引き合っているのだ」といえばそれまでですが、そもそもなぜゆえに、その2つはそのような関係でお互いに結び合っているのかを考えると、それはどうも「ご縁」にいきあたるような気がするのです。

進化・成長することの真意
01ga_31_4.jpg 釈迦は「ご縁とは創り出すものではなく、いただくものである」という趣旨のことを述べました。実際に私の経験から、ご縁は創り出せるものではないという事実を、この10年間で強く感じてきました。自分で切り拓いた道だといえば、それは傲慢すぎるのです。そのご縁をいただくことができる「私」は、本質的にいかにあるべきなのでしょうか。それはどうも『進化・成長する』ことと、切り離すことができないようです。親は、子どもの進化・成長を見守り、また援助します。子もまた、さまざまな事象を通じて親の進化・成長をじっと観察し、機会を与えます。そうやって親子はお互いを進化・成長させていきます。社会も同様に進化・成長します。小さな時間軸で見れば、それは退化しているように感じることもありますが、大きな時間軸では進化・成長しているといえます。世界の人権意識を牽引するヨーロッパですら、ほんの半世紀少し前までは血で血を洗う壮絶な戦いの現場でした。人は、できる限り戦争を回避するすべを持つようになり、それは相互理解であることを苦い経験のなかで積み上げてきたのです。モノを進化・成長させてきたプロフェッショナルたちが、私たちのお取引先さまでしょうし、それらを広い市場の中から選択的に購入していただくお客さまもまた、進化・成長されていきます。「私」や「私たち」は、相互に進化・成長を補完し合う、素晴らしい関係のなかに生かされていることを発見しました。

「私たち」の関係の境目はどこにあるのか
非常に複雑な話に聞こえるので、少々困惑されているかもしれません。しかし、ほんとうはこのことは非常にシンプルなのです。複雑に見えるのは、どこまでが「私」の話であり、どこまでが「私たち」のことで、どこまでが「あなた」または「誰かさん」のことなのかがわかりにくいことです。実は、この「私」「私たち」「あなた」「誰かさん」には境目がないのでないだろうか、というのが今回のお話の結論です。ご縁でつながれ、進化・成長しあう私たちは、いったいどこで分断されているのでしょうか。私と、お客さま、スタッフ、お取引先さまのどこに境目があるというのでしょうか。私とあの人、あなたとその人は等しく進化・成長し、ご縁でつながり合いました。ご縁によって、また進化・成長しあう関係において、私たちは無限のつながりのなかで、こうして出会い、関係しあうことができたのだと思います。経済社会においては、事業とはこのような論理で話されることはないことを知っています。しかし、この不況下で、じっと本質は何かと問い続けた結果、そこに境目は存在していないことに気がついたのです。ただ、小さな点であった「私」の、どなたかのお役に立ちたい、という思念が、この空間をつなぎ、または埋めていきました。そしてお客さまに愛され、またお取引先さまに信頼される関係をつくり出すことが、すべてのご縁を感謝にかえ、進化・成長を促していくのだという事実は、私をより奮い立たせてくれるのです。私は、私にご縁をいただいたすべてのみなさまに貢献することが、私自身の進化・成長そのものだったのです。そして、みなさまの進化・成長は、私の幸せそのものであり、そこには全く境目が存在しないという圧倒的な真実のまえに、私は忠実でありたいと願っています。そして、そのご縁が交錯するであろう空間に向かって、進化・成長という応援をお届けしたいと思うのです。

- 中川信男の多事争論 - 2010年3月発刊 Vol.31

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