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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

間違いのない時代に

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二〇二三年が明けて、明るい気分でお過ごしのことと思います。

昨年の干支は壬寅で、植物が種から芽を出すように取り組んできたことの成果が見える年回りになりそうとお伝えしていました。振り返ってみて、いかがだったでしょうか。

今年の干支は、癸卯。これまで努力してきたことが花開いて、実り始める年回りとされています。昨年に芽が出た人にとってはさらなる成長が見込めそうです。まだ成果の見えていない人にもなんらかの収穫が見込めるかもしれませんね。人はとかく良いことが続けばいいと願いがちですが、良いことばかりが続くことは稀ですし、かといって悪いことばかりが続くとも限らない。すべては陰と陽のごとく、山あり谷ありです。

九星気学では二〇二三年は四緑木星。緑と木がくるので葉が生い茂る様子で、やはり成長が見込みやすい年回りとなりそうです。

闇の静けさ

干支の「癸卯」について、もう少し詳しく見てみます。十干での「癸」は一〇番目で終わりを意味するとともに次の新たな成長が始まる状態。これまでの一〇年を振り返ってみると良さそうです。

「癸」という字は雨や露など、大地を潤す水。物事を育てるのに不可欠なものを表します。これに手がつくと「揆」。一揆の「揆」として、問題解決の手立てを間違えば、弾けて争いごとへと発展させるエネルギーを抱えているともいえます。

「卯」は、ウサギの飛び跳ねる様子。跳ね上がる、飛躍するという上昇の活力を持つといえるでしょう。「卯」という文字の形が左右対称に近く、門が開く様子を連想させることからも、飛び出る様子を意味するとも考えられています。コツコツ努力してきたことが、門扉が開いて見えるところへ出てくるということになります。

門を開かずに内に秘めたままでは、「闇」となります。無音の静けさと、闇の静けさは異なります。闇を抱えたままで、突然に門が開いたときに溢れだしてしまわないよう、我慢のしすぎに注意したいところです。

コツコツ努力してきたものは何だろう。いま一つハッキリといえないという人もおられるかもしれません。本当にやりたいことといわれても、日々忙しすぎてそれどころではないかもしれません。そんなときは、子どものころに夢中になっていたことを思い出しても良さそうです。

禅の言葉に、「故郷今夜思千里」とあります。年の瀬にあって、遠く離れた故郷のことを思うということ。里帰りのできた人は、その際に故郷で過ごした日々のことを思い起こす。コロナ禍での事情などがあってまだ帰省できないとしても、心を故郷に向けることはできるはずです。そして子どもの時代を過ごした風景、我を忘れるほどに夢中になっていた時間を思い出してみる。意外なところで、閉じ込めたままの「闇」に気づくかもしれません。

間違いはない

この二、三年は、多くの人が経験したことのないことを経験し、不安を抱えたことと思います。大きな時代の変わり目であり、不安なのはきっと誰もが同じでしょう。経験したことのないことだから、解釈だって人それぞれ異なるでしょう。そこには絶対的に正しいものなどはありません。正解はないのです。正解がないから、間違いはない。あるのは「違い」だけです。それぞれの人が見ているものが違う。これまでに取り組んできたことも、これから向かう先も違うのです。人を見て、間違いと指摘するのではなく、それがその人にとっての個性と解釈できること。そして存在するはずのない正解を求めるのではなく、自分なりの「解」を持てるようになりたいものですね。

- 鍼療室からの伝言 - 2023年1月発刊 vol.184

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