今回は専門ではありませんが呼吸について感じたままを記したいと思います。
人は生まれると自然に誰からも教わることなく、「おぎゃ~」と息を吐くことから呼吸を始めます。最近ではダイエットによいと言われている呼吸法もあるので興味深いものがあります。呼吸の仕方や意識を変えると脳の生理にまで影響を与えることができるようです。
下丹田呼吸のすすめ
呼吸には一般に胸式呼吸と腹式呼吸がありますが、ここで私がお話しする呼吸は腹式呼吸である下丹田呼吸についてです。
下丹田の位置は、お臍と恥骨の中間より少し下で表面 から少し内方に入ったところです。武道の中の剣道では垂れをしめる位置、柔道や空手などでは帯をしめる位置で正中線上の帯と交わる位置の内方です。腹式呼吸をしたり、武道で気合いを入れますと、その位置に力を入れることが出来ます。その位置を意識して力を入れると横隔膜がさがり気も下に下がり、大仏のようにどっしり構えているように見え、実際に気持ちも落ち着いてきます。反対に胸式呼吸では気が上がり、そわそわしているように見え実際に気持ちも落ち着きません。
日本では古来、武道や茶道、その他のもので下丹田が意識されていたのです。今はやりのロングブレスダイエットの呼吸法に似ていますが、最初は意識して帯のようなものを巻くと効果が解るので良いのではと思います。呼吸の時間は吸う時間より吐く時間がおよそ1.5倍位長くなるようにし、意識としては眉間から息を吸い、吐くと同時に下丹田の方へ少しずつ下ろしていきます。 また出生と同じで吐くことから始まり、吸うことより吐くことだけに意識をもつようにすると、自然に吸えるようになります。 座禅をした時にする呼吸と同じで、鍛錬を積み下丹田に強い力を入れることが出来るようになると、「きょうさく」で「さくれい」を頂くときに痛みを最小限に緩和できるようです。
モヤモヤ解消に効果あり
下丹田で呼吸をしていると、分別妄想を最小限にコントロール出来るようです。
「あ~でもない」「こ~でもない」と考えている時にふと呼吸をしていないことに気付きます。当然脳は酸欠になりモヤモヤしてしまい妄想を生み悪循環に陥ります。そんな時は意識して呼吸だけに専念してみると頭がすっきりし、脳がとても良い状態になり判断力が増して誤った結果を導かないように回避できます。科学的には脳内のセロトニンという神経伝達物質が多くなることがわかっています。最近はストレス社会でそれをコントロール出来なくなることで、うつ病などの精神疾患が多くなってきていますが 、呼吸は大切です。
また下丹田呼吸は意識を徐々に下へもっていくと同時に下丹田へ落としていくために頭から下丹田まで身体を揺さぶることが出来、横隔膜を下へ下げることに り実は脳脊髄液の環流を促すために行われるものでもあります。
少し意識して呼吸をしてみると新しい世界がひろがってくるのではないでしょうか。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師.整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |