おかげさまで弊社は、平成22年2月に創立10周年を迎えます。これもひとえに皆様のご支援のたまものと深く感謝しております。皆様とともに駆け抜けた10年を振り返りながら、また新たな10年にはせる想いを、2ヶ月続けて弊社代表の中川信緒が語ります。 |
山下
この10年、中川社長にとってあっという間のことではなかったかと思いますが、当時から10年後の今をイメージしていましたか。
中川
今から10年前は、とにかく必死でした(笑)。「将来このような会社にしたい」という具体的なイメージもありませんでしたが、当時はまったくイメージできなかったほど、今は変化しています。確かにあっという間の10年でしたが、「短かった」とひと言で片づけていいのかというくらい、時間が創ってくれた変化があると思っています。
山下
組織の様子は大きく変わりましたが、当時と変わっていないものは何でしょうか。
中川
ん~・・・、「自分」だけかな。
ウエストはずいぶん変わりましたけど、ざっと+3インチ(笑)
性格や物事の考え方もずいぶん変わったと思いますが、「この仕事が天職だ」と思う気持ちは変わっていませんし、大仰なようですが、「この世の中に対してやるべきことがある」という信念も変わっていません。
ちなみに、天職といっても、インターネットでものを売るいう狭い意味ではとらえていません。山下さんがバリ島で仕事をしてくれているように、スタッフひとりひとりがそれぞれに働きやすい形で関わり、信頼できるお取引先に支えられ、たくさんの素晴らしいものを取り扱うことができ、それらをお客様が待ってくださっている。もののやり取りと同時にエネルギーのやり取りがあって、100%の満足とはいきませんが、喜んでくださる方もある。そしてそのお客様の喜びが、自分の喜びにもなっているということは、今も以前もまったく変わりません。
山下
当時は表現しきれなかったけれど、今なら明確に言語化できることも増えたのではないでしょうか?
中川
まだまだではありますが、確かにずいぶん増えました。ただその一方で、「言語化しないほうがいいこともたくさんある」ということにも気づきました。
誰かに何かを伝えようとすると、私たちは伝えたい内容を言語化しますね。ところが言語化した時点で、それは薄まってしまいます。なぜなら、発する
言葉が「伝
えたいことそのもの」にはなり得ないからです。
100%の理解が必要なことであるにもかかわらず、言語化することで本当に伝えたいことではなくなってしまうのを私は懸念してしまう性分のようです。世の中では、何事もマニュアル化、標準化していかないと会社は大きくならないし、従業員もついてこないなどといわれますが、強くそういわれるほどに、「それなら大きくならなくても結構」と反抗的になってしまいます。伝えるためには時間がかかることも、この世の中にはたくさんあるのですからね。
創業間もない頃から根気よくお付き合いしてくださっているお客様は、もしかすると我々が言語化していないことを感じ取っていらっしゃるのではないかと思うことがあります。当時は私自らがお客様からのメールやお電話にお応えしていましたが、そういう機会も今は滅多にありませんし、ウェブページも当時とはずいぶん様変わりして、法規制が厳しくなったため十分ご納得いただけるだけの情報を提供できていません。それでも我々を信頼して付き合ってくださるのだとすれば、やはり「非言語」の部分が伝わっているからではないでしょうか。
などという話を聞かされて、うなずく方もいらっしゃれば、意味不明だとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが(笑)。
山下
それはお客様おひとりおひとりの受け取り方次第ということですね。
中川
はい、もちろん。言葉にできないものを感じ取ってくださるのはとても嬉しいですし、反対に、言語の世界で何かしらを伝えることができているのであれば、ウェブページやこの「らくなちゅらる通信」の意義も感じるところです。どちらもありがたいことですし、今後もその両方の価値をさらに高めていきたいと思っています。
お客様にとって必要だと思う情報はもっと言語化していきたいですし、その一方で、我々とお客様、それぞれの本質にあるものは常につながっていると信じているので、その根っこの部分もさらに深めていきたいですね。
(次号に続く)