『太陽 × 宮古島』という言葉で真っ先に頭に浮かんだのは、10年前の夏休み、初めて家族旅行で宮古島を訪れた時に感じた太陽の強烈なインパクトです。
空港に降り立ってまず、ガツンと衝撃的な太陽のパワーを感じました。
心が透かれるほどに美しいミヤコブルーの海と、青々と立派な葉を揺らす島一面に広がる見渡す限りのサトウキビ畑と、平坦な島の上空を覆う抜けるように青い空と、水平線に触れる所までくっきりと見える真っ白の夏雲。
これまでに見たことのなかった、美しさとどこか懐かしさを感じさせる風景の中で、痛いぐらいに強烈な日差しがむしろ気持ち良いと感じられました。
亜熱帯環境の宮古島の夏は勿論暑いのですが、灼けつくアスファルトから立ち上る熱波が籠る都会のビル街のじっとりした暑さとは対照的です。
砂浜で子供と貝殻を拾い、ヤドカリを観察し、砂山を作り、海に潜って熱帯魚と戯れ、『ここに居るだけでうれしい!』と全身で感じていたことを思い出します。
レンタカーを使うことすらなく、自転車2台・家族4人で近場のビーチを往復して過ごす毎日を満足して過ごしていました。
さて、10年前の記憶から書き始めましたが、短期のリゾート滞在ではなく、仕事で宮古島に移り住み、夏場の畑作業を経験すると、サトウキビなどの作物にとっても畑人(ぱりんちゅ)にとっても、パワフルな夏の日射しは非常に過酷であることがよくわかります。
それと同時に、この過酷な環境を乗り越えて育つサトウキビは、やはり宮古島の気候・風土に完璧に適合した作物であることを改めて感じます。
宮古島移住のきっかけとなったあの日に想いを馳せることで、久しぶりに初心を思い返しています。
そして、「もうええわ」と言いたくなるぐらい燦燦と太陽の恵みを受けて黒焦げになりながら、ここ宮古島でサトウキビに触れあうことができる毎日に、あらためて感謝しています。
オルタナティブファーム宮古代表
松本 克也(まつもと かつや)
自動車メーカーなど14年の研究職を離れ、2012年5月に家族4人で宮古島に移住。
約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。
その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。