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CHOICE するということ

体の中からきれいになる形成外科医が伝える医学部では教えない栄養学の話

鈴木形成外科院長/CHOICEオーナー&プロデューサー
日本形成外科学会認定専門医・日本レーザー医学会評議員
日本臨床皮膚外科学会理事・京都形成外科医会 会長
第1回ベジタリアンアワード企業賞受賞(CHOICE)

鈴木 晴恵 (すずき はるえ)

京都市出身。アジアにおいてレーザー治療をいち早く導入し、シミ、あざなどの数々の治療方法を確立。メディカルエステを考案、定義し、実践してきた。
仕上がりの美しい眼瞼下垂症手術に定評がある。3.11を機に「食」と真剣に向き合い、栄養学を突き詰めた結果、
最善の食事法はplant basedwhole foodsと気づく。クリニックに栄養外来を立ち上げる傍ら食のお手本を示すカフェ『CHOICE』開業。
大学生の娘の母親でもある。

タンパク質はどこから摂るの?②

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前号では、タンパク質を動物性食品から摂ると病気を引き起こす物質を一緒に摂ることになり、タンパク質を植物性食品から摂ると炎症や病気を予防し治療することができるビタミン、ミネラル、抗酸化物質、ファイトケミカル、食物繊維を一緒に摂れると書きました。動物性食品を摂るリスクについて知っても、植物性食品からだけでは必要なタンパク質量が確保できないのではないかと心配する方もいます。今号では植物からタンパク質を摂ることがいかに合理的かを説明します。

タンパク質は植物に由来する

驚かれるかもしれませんが、すべてのタンパク質は植物に由来します。藻、葉、穀物、果物など、植物が成長する過程で、土壌、空気、太陽からアミノ酸を作り出し、次に小魚から牛までのあらゆる動物が植物を食べ、アミノ酸を吸収し健康で力強く成長します。つまり、動物を食べて摂取するタンパク質は、動物が植物を食べて得たものです。だから、供給の大元の植物からタンパク質を摂れば直接的で効率が良いのです。

牛、ゴリラ、ゾウなど野生の草食動物は植物しか食べませんが、彼らは十分な筋肉量を持っており、植物を食べるだけで大きく、力強く成長できることを証明しています。そして、私たち人間もそうできるのです。

肉、魚、鶏、卵、乳製品は、一般的に植物性食品よりも多くのタンパク質が含まれていると考えられがちですが、実際には植物性食品と同じ量のタンパク質が含まれています。500キロカロリーの植物性食品と500キロカロリーの動物性食品の成分を比較するとそれぞれ33キロカロリー、34キロカロリーと同等量のタンパク質を含んでいます。植物性と動物性のタンパク質量が同じなんて意外でしょうか? 植物性食品はビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、食物繊維と一緒に最良の形で必要なタンパク質を摂ることができる食べ物なのです。

地球環境保全にも必須

プラントベースの食生活は、環境保全にも必要不可欠であることがわかる試算があります。動物性の食品を供給するための家畜を飼育するには、プラントベースの食事に比べ10倍の土地、水、エネルギーが必要です。一般的な西洋型の食事で、一人が1年間に食べる動物性の食料を生産するには、アメリカンフットボール場二個分の土地が必要ですが、同じ広さの土地ではプラントベースの食事を14人分生産することができるのです。

プラントベースの食事を選択する理由は自身の健康のため、動物愛護の観点などさまざまありますが、このまま無制限に家畜を消費し続ければ近い将来、地球は私達が住める場所ではなくなります。これは地球に住む皆の問題で決して先延ばしできる問題ではありません。

ヒトと地球の健康にとってタンパク質の最良の供給源がプラントベースホールフード(P‌B‌W‌F:植物性の食材をなるべく精製加工することなく食べる)の食事であるとわかっていただけましたでしょうか。それでも生きるための栄養をすべて植物から摂ることが不安でしょうか?

アメリカのプラントリシャンプロジェクトが制作する「プラントベースホールフード食生活スタートガイド」を当院ウエブサイトで公開しています。この食生活を実践するにあたっての疑問や不安を解消でき、健康で強く生きるために必要なすべての栄養を供給可能であることがわかりやすく書かれています。無料でダウンロードできますので一度ご覧いただければと思います。

プラントベースホールフードガイド食生活スタートガイド

- CHOICE するということ - 2023年8月発刊Vol.191

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