初めまして。藤嶋です。
編集ライターと名乗っていますが、保育士、セラピスト、
コミュニケーション講師でもあります。
歌うこと踊ることが好きで、自然のなかでゆっくり過ごすことが一番の幸せ。
一日、海辺でゴロゴロ過ごせます(笑)。
子どものころは「みちくさ」がルーティン。
小学校から家まで道路を通らずに歩ける郊外のベッドタウンで育ち、
片道10分の道を30分以上かけて帰っていました。
土手に寝転んで雲を見るのが好きでした。
自由な私 一生懸命過ぎる母
そんな私は、学歴重視、礼儀作法を重んじる旧家出身の母に育てられました。
出汁を取るのはもちろん、ベランダで糠漬けをつけ、一汁三菜の和食。
パンもお菓子も手作りで、レトルト食品、冷凍食品、スナック菓子は一切なし。
服も、ほとんど手縫い。
厳しいながらも小さい子が好きな母は、週末はお弁当を作って公園へ。
幼少期は私の個性も受け止めてくれていました。
一方で母は、泣く、怒るなどの「感情を出す」ことを極端に嫌う人でした。
頭ごなしに叱り「感情をコントロールする」ように言われました。
親戚の集う誕生日会で「機嫌を治す」ことができなかった私は、お尻を叩かれたほど。
テレビ番組や書籍、着る服も自由に選ばせてもらえず、
年を重ねるごとに個性も否定されていきます。
小学校2年のとき公園のブランコを漕ぎながら
「今が一番幸せ。これから私は大変な人生を歩むのだから」
となぜか思ったものです。
特に問題を起こす子ではなく、小学校時代は成績もトップでしたが
「いい子になってお母さんに好かれたくないの?」とよく言われました。
残念ながら父も、姉びいきでした。
そういった経緯もあり、自己肯定感が低かった私の人生は波乱万丈でした。
しかし、天性の楽観主義としなやかさで乗り越え、
今は楽しい日々を送っています。
母とも亡くなる前に和解しました。そんな母に感謝していることが3つあります。
礼儀作法、「美しい景色を見て『美しい』と感じる心」を伝えてくれたこと、
そして、個性的で人見知りな私を、YMCAの野外活動クラブに入れてくれたことです。
このコラムでは「生きる力」というキーワードをもとに、
出会ってきたたくさんの人、本、映画などを通して気づいた哲学や、
子育てのヒントをお話ししたいと思います。
自然のなかで「感じる力」が「生きる力」につながる
今回、ご紹介する本は、知る人ぞ知る『センス・オブ・ワンダー』。
自然を感じることの素晴らしさが書かれている本です。
富士山の麓で暮らす大切な友人からもらいました。
帯には「子どもたちへの一番大切な贈りもの」と書かれています。
波乱万丈人生でも、私は決して「完全なる孤独」を感じることはありませんでしたが、
それはきっと「自然」のなかでたくさん過ごしたからではないかと思っています。
子育ては「親が大切だと思うこと」を引き継ぐこと。
私は、そう思います。
私も「センス・オブ・ワンダー」な体験を子どもにたくさん贈りました。
今、わが家の子どもたちは思春期です。成人した子もいます。
私の子育てが成功したのかどうか、それはわかりません。
苦労もさせましたし、私の方針も娘には否定もされてきました。
ただ、少なくとも「好きなものを好きだと、遠慮なく言える環境」は
与えられた気がします。
長い人生、きっと終わってみるまでわからないことばかり。
でも、土壌に「愛」があれば、どんな人生も、
いつか愉しむことができるのではないかと悠長に構えています。
その「愛」とは、人の愛であり、地球の愛でもあります。
そんな、ゆるい子育て観をお伝えしていきます。
編集室Roots
代表
藤嶋 ひじり
(ふじしま ひじり)
保育士から編集者に転身。
日経BP社『日経キッズ+』、小学館『edu』などの教育雑誌や、
NHK朝ドラ『あさが来た』『マッサン』など公式ガイド本の取材・執筆。
インタビューは1,500人以上。今もたまに保育士。庭でハーブや野菜を育てる。
元シングルマザーで三姉妹の母。歌、ダンス、言葉など自己表現のサポートも。
合氣道初段。「生きる力」を育て直す
己育て(こそだて)マガジン『Roots』
http://www.ikiruchikara-roots.com